2021-01-01から1年間の記事一覧

ヴァレンティーノ・ロッシとその愛機たち(1)

2021年限りでその26年に及ぶキャリアに終止符を打った ヴァレンティーノ・ロッシ。 ここでは彼が最高峰クラスで駆った愛機たちについて、当時のレギュレーションの 変遷も含めて、彼がどう戦っていったのか振り返ってみたいと思います。 最初は125cc時代と25…

前も後も

今シーズンのMOTOGPシーズンを終えて、様々なデータが 数字として発表される季節になりました。 MOTOGPクラスでは恒例のクラッシュの回数ランキングが 発表されました。 最多はKTMのレコーナで27回、 続いて、ホンダのマルク・マルケスの22回、 以下、同じく…

敗因

WSB2021年シーズンは今日、インドネシア マンダリカで 最終戦が行われ、パタ・ヤマハのトプラック・ラズガットリオーグルが 自身初、ヤマハにとっては12年ぶりのタイトルを手にしました。 それは同時に2015年から6連覇をしてきたジョナサン・レイ+カワサキ…

ペドロ・アコスタ

最初にその名前を聞いたのは去年の オーストリアの2回目が終わったあたりから アラゴン、ミザーノあたりだったかな? それもアコスタの話じゃなくって、長島選手の シートが危ういらしいってところから始まったんだよね。 去年のある時点で、来季のアジョはM…

メンタル

持って生まれた性格は簡単には変えられない。 確かにそう思います。 しかし、より高い目標を掲げた場合、時として 変えることはできなくても、ある程度の抑制は出来る。 今年のファビオのタイトル獲得を見てそう思いました。 昨年、ファビオは3勝をマークし…

WSBも世代交代

新陳代謝のサイクルの早いMOTOGPに比べると 比較的世代交代のサイクルのペースが遅いWSBですが、 今季から来季にかけては世代交代が一気に推し進められることになりそうです。 既に判明している範囲でWSBで10年以上のキャリアを誇る チャズ・デイビス、トム…

驕れる者は久しからず

アルゼンチンでWSS600に参戦している ドミニク・エガーターが初の世界王者に輝きました。 この事は、エガーターというライダーの卓越した スキルを見せつけたと共に、彼の所属するテンケイト・レーシングの チーム力の高さを改めて見せつける形になりました…

ヨシムラの兵法

2021年のEWCシリーズが終了しました。 終わってみれば今年から参戦したヨシムラ・SERT・モチュールが 全戦完走、ルマンとボルドールの両24時間を制する形での 圧勝でシリーズも制しました。 それにしても、今年のEWCでのヨシムラ・SERTの戦い方は 守りより攻…

これは終わりの始まりか

今季限りでF1から撤退するホンダですが、それに伴って 来季はF1を含む4輪のモータースポーツ部門をごっそりと HRCに移管するとのこと。 これにはちょっとビックリしたというか、何というか。 それはそもそもHRCは2輪のモータースポーツ専任の会社で ホンダ本…

デイビスとパニガーレの戦い(3)

2015年に入るとレギュレーションに大鉈が振るわれました。 もっとも、これはいきなりではなく、2014年から事前告知されていた 話で、既に一部メーカーは2014年からテスト車両を実戦参加させていました。 これらは通称エヴォマシンと言われ、当初はエヴォレギ…

デイビスとパニガーレの戦い(2)

2014年シーズン、いよいよドゥカティのエースとしての デイビスの戦いが始まるわけですが、 この年、ちょっとしたレギュレーション変更が行われています。 それはミッションの登録制で、シーズン通して使用できる ミッションのギヤ比は2種類のみとするという…

デイビスとパニガーレの戦い(1)

WSBヘレスラウンドの初日に ドゥカティのチャズ・デイビスが今季限りでの WSBへの参戦の取りやめ、そしてそれは恐らく レーシングライダーとしての引退を示唆する記者会見を行いました。 チャズ・デイビスのキャリアを振り返るとその大半が ドゥカティ最後の…

フレンチの美味しい頂き方

前回のアラゴンではタイヤトラブルから失速した ファビオですが、今回のミザーノのレースは慎重すぎるくらい 慎重なレース運びをしていましたね。 リヤタイヤに固めのミディアムを選んだのもそのひとつで、 ドゥカティ勢のようなリヤソフトは選びませんでし…

王者の苦闘

6冠王者 ジョナサン・レイにとっては苦闘のレースが 続いていますね。 アッセン以降の4開催で、勝ったのはマニクールとカタルニアの SPレースのみ。 しかもマニクールは例の一件があっての裁定ですから 実質、カタルニアのSPレースのみで、通常距離のレー…

2022年 MOTOGPシート状況

マーヴェリック・ビニャーレスのアプリリア加入が発表され シートの9割が埋まった来季のMOTOGPですが ここで現状、判明している範囲でまとめておきたいと思います。 レプソル・ホンダ マルク・マルケス ポル・エスパルガロ LCR ホンダ 中上貴晶 アレックス・…

タイヤに笑って、タイヤに泣く

前回のアッセンでは見事なタイヤチョイスを決めて 完勝したカワサキ+レイでしたが、チェコのモストの レースでは一転、大苦戦のレースとなりました。 その要因は、やはりここでもタイヤでした。 去年から今年にかけてピレリは基本的に4種類のタイヤを 持ち…

カワサキの底力

WSB 第5戦 アッセンは終わってみれば カワサキのジョナサン・レイがトリプルウィンを 飾り、ランキングトップのトプラックが第2レースで 不運なリタイアを喫したこともあって、 ポイントリーダーに返り咲いただけでなく、大きくリードを 築くことになりま…

ヤマハの戦法

WSBはドニントンパークを終えて、ヤマハの トプラック・ラズガットリオーグルがポイントリーダーに 立ちました。 ドニントンのレース2ではポイントリーダーのジョナサン・レイと トプラックの一騎打ちになる中でレイが転倒したこともあって レイがプレッシ…

デタミネーション

ザクセンリンクで行われたドイツGPは 昨年のスペインGPで転倒、腕を骨折し、以降 そのリハビリに年月を費やしたマルク・マルケスが 実に1年ぶり以上となる優勝を遂げました。 昨日のレースっぷりを見ていると、マルクは かなり強いデタミネーションを持って…

開幕戦の舞台

WSBはようやく開幕戦を迎えます。 今年はコロナの影響で例年開幕戦の舞台になっていた オーストラリアのフィリップアイランドから スペインのモーターランド アラゴンに変更になっています。 しかし、これは逆に今年の仕上がりを見るという意味では アラゴン…

2021年の傾向と対策

またタイヤのネタ?と思われるかも知れませんが 4戦を経過して、今年のMOTOGPクラスのタイヤの傾向が 見えてきたので、まとめておくかなと思った次第です。 今シーズンのタイヤの傾向として特徴的なのは、主にKTMが 訴えているフロントタイヤの安定感の無さ…

ホントなら鬼の居ぬ間に

3年前にF1のフェラーリからマッシモ・リボーラを 招聘したアプリリアは優遇措置もあって 他メーカーとの戦闘力の差をぐんぐんと縮めています。 今年は大幅な軽量化を推し進め、最低重量規定より 軽い車体を作り上げました。 現在のMOTOGPのスタンダードは最…

ライダーの意見を聞いてと言いますが

さて、ヨーロッパラウンド開幕戦 ポルトガル、アルガルベでの予選が行われたわけですが・・・。 今回からヨーロッパラウンドということで、 特殊な路面コンディションだったカタールと違って 通常スペックのタイヤが持ち込まれるこのラウンドが 今シーズンの…

パワーバランスはまた変わるか

ホンダのマルク・マルケスの復帰レースとなることが 濃厚なポルトガル アルガルベで行われる第3戦 ポルトガルGPですが、ここからMOTOGPはヨーロッパラウンドに 入ります。 いよいよMOTOGPも本番ということになりますね。 カタール、ドーハではヤマハファク…

風と砂とタイヤと

2021年の開幕戦カタールGPは強風吹きすさぶ中で行われました。 結果はヤマハ・ファクトリーのマーヴェリック・ビニャーレスが 2017年以来の開幕戦優勝を飾ることとなりました。 決勝レースは事前の予想通り、ドゥカティVSヤマハの展開で これにスズキが追い…

忖度だとは思わないが・・・・・

カタールテストで好調だったドゥカティとヤマハ ですが、今季ミシュランはタイヤのアロケーションを 変えてきたんですね。 いわく、現場からそのような要望が上がっていたとの話ですが 具体的にはタイヤが去年に比べてワンランクずつ固くなっていると。 つま…

カタールテスト 雑感 その2

さて、ライダー編。 このテストの一番の驚きはドゥカティワークス入りした ジャック・ミラーの快走でしたね。 去年はドヴィ、ペトルッチのコンビで散々低迷したドゥカティワークスですが ようやく光明を見出してきたっぽいかな。 去年投入されたグリップの増…

カタールテスト 雑感 その1

開幕戦の舞台となるカタールでの今年初のMOTOGPテストが 終了し、いよいよ開幕戦を待つ形となりました。 ここではハード編、ライダー編に分けてカタールテストの 様子について触れていこうかなと・・・・。 まず、ハード編ですが、今シーズン、2021年に関し…

二度あることは三度ある?あるいは三度目の正直

今年からヤマハのテストライダーに就任した カル・クラッチロウがヤマハのMOTOGPに乗るのは 3月5日から始まるカタールテストのウォーミングアップデイに なるとのこと。 これは後日始まるレギュラーライダーのためにマシンをウォームアップしたり 各部の動作…

私的GPライダー 考察学 その3

とうとうスミスに愛想を尽かされて出て行かれた アプリリアはアレイシ・エスパルガロとロレンツォ・サバドーリという コンビで走ります。 エース格のアレイシは言うまでもなくブレーキングが うまいライダーで、ここで一気に距離を詰めてくる。 最近はそれだ…