デイビスとパニガーレの戦い(2)
2014年シーズン、いよいよドゥカティのエースとしての
デイビスの戦いが始まるわけですが、
この年、ちょっとしたレギュレーション変更が行われています。
それはミッションの登録制で、シーズン通して使用できる
ミッションのギヤ比は2種類のみとするというもので、
これまでのように細かくサーキットに合わせてギヤを組み替える
ということが出来なくなりました。
これって、実はドゥカティからすると救済策にも見えるんですよね。
というのもドゥカティ(アプリリアも)のツインエンジンは構造的に
カセットミッションになっていなくて、レースの現場でギヤを
細かく変更することは出来ません。
シーズン通して、前後のスプロケットでしかコースごとの
アジャストが出来なかったんですよね。
(これはアプリリアとドゥカに乗った芳賀さんもコメントしてます)
だからホントのエンジンの美味しいところをピンポイントで
合わせ込むということが出来ませんでした。逆に言えば、
それでこれまであれだけ勝っているんですから、パワーバンドの
広いパワー特性がどれだけ有効だったかがわかるという部分です。
とにかくこのミッション登録制は4気筒マシンには足かせに
なるのは間違いないわけで、それが幾分か成績に反映されるかと思われましたが・・・。
終わってみれば、デイビスは2位が2回、3位が2回のランキング6位。
パニガーレはデビューして2年で未だに勝利なし。
2位を2回獲得しているのが、イタリアのイモラで
ここはストップ&ゴーで切り返しの多いコース。
結局、2気筒のメリットである切り返しの早さと
立ち上がりの加速特性の良さが生きるコースでしか
結果は残せず、しかも勝てない。
多くの通常コースでは4気筒に叶わない
というのがよりはっきりした形になっただけでしたね。
こうした勝てないドゥカティの状況を見かねたのかどうか
翌年FIMはレギュレーションに大きなナタを振るうことを決めるわけです・・・。