WSBドニントン あれやこれや

終わってみれば、ヤマハのトプラックが今季初の

ハットトリックを達成し、去年の王者がようやく

本領を発揮しましたね。

開幕から違和感を覚えていた車両にクレームをつけてどんどん

要望に合わせていったら、ほぼ去年モデルになってしまったいう話。

元々、限界まで攻め込むスタイルの彼ですが、その限界付近の挙動が

掴みやすいというか、手の内に入れるマシンが彼のお好みのようですね。

滑りやすいドニントンの路面で見事に攻め切りました。

 

逆に苦戦したのはレイで、立ち上がり、ブレーキングどちらも苦しんでいましたね。

立ち上がりの加速で明らかにヤマハに負けていましたし、ブレーキはオーバーヒートで

ジャダーというか、振動が発生してましたね。

これは立ち上がりのトラクション同様、今はリヤタイヤのストッピングパワーを

利用しないと、フロントだけでは止まり切れないのが当たり前で、

リヤのグリップが足りてないと、このリヤのストッピングパワーも足りなくなって

フロントブレーキの負担が増大する。その結果のオーバーヒートかも知れません。

正直、詳細はわかりませんが・・・。

 

今回のサプライズはカレックスのスイングアームを投入したBMW

3レースのリザルトが4位、3位、5位と今季最高を記録しました。

たかがスイングアーム、されどスイングアーム。

これを投入した結果、トラクション、ストッピング性能、バンプライド性能

全てが向上したとレディングとバズはコメントしています。

改造範囲の狭いスーパーバイクでスイングアームは非常に大物パーツですが

これの性能がここまで全体の性能に寄与していることを証明した形ですね。

これから更にセットアップが煮詰まってくると、もう少し上位、今の

トップ3に割って入ってくることもあるかも知れません。

 

逆に非常に苦しい週末を送ったのがホンダで、レコーナは腕上がりに

見舞われてましたし、フリー走行ではコースアウトも喫しています。

元々、曲がらないシャシーに対してリヤを滑らせることで、マシンの向きを

変える乗り方をしていましたが、ドニントンは非常にグリップの低いコースですから

リヤを滑らせる前提のフロントのグリップがそもそも足りなければ、

曲がらず、コースアウトしてしまうのは道理です。

このマシンの持っている根本的な問題点が浮き彫りになった感じですね。

事前テストを行っていたというのに。

 

野佐根君は終始攻めあぐねたというのが正直な感想。

3レースとも入賞圏外というリザルト。

グリップの薄いこのサーキットの攻め手が最後までわからなかったという

感があります。

グリップの高い路面が多い日本のサーキットで戦うと、こういう滑りやすい

コンディションでいかにマシンを曲げて、止めるのかのテクニックが

身に付きにくいというか、海外のライダーとの差を感じることがあります。

中上君なんかもアルゼンチンではモルビデリと大きく差がつくポイントでした。

 

今季出遅れたトプラックでしたが、ここに来てようやく去年の速さ、

強さを取り戻した形で、今後はレイとバウティスタに割って入って来そうですね。

次回はレイにとって苦い思い出のあるチェコ モストです。

またしても混戦、乱戦の予感がしますね。

モストは2週間後に開催となります。

鈴鹿8耐勢はこのモストが終わって、即移動になりますね。