開幕戦の舞台
WSBはようやく開幕戦を迎えます。
今年はコロナの影響で例年開幕戦の舞台になっていた
オーストラリアのフィリップアイランドから
スペインのモーターランド アラゴンに変更になっています。
しかし、これは逆に今年の仕上がりを見るという意味では
アラゴンの方が良かったかも知れません。
というのもフィリップアイランドは開けながら曲がるコーナーが
多くて、ヨーロッパで一般的なブレーキングで減速して
フロントで曲がるコーナーや、パーシャルでダラダラ回るコーナーが
ほぼ無いため、ここでの成績はヨーロッパに戻ってからの
成績には参考になりにくいんですよね。
実際、去年のウィナーであるトプラックとロウズはその後
泣かず飛ばずで、ロウズに至ってはこの開幕戦の優勝が唯一の優勝となりました。
その点、アラゴンはまさにマシンの特性が表れるコースで
特に高速からのハードブレーキングや、ほぼコーナーがフラットでパーシャルで
長々と旋回するコーナーもあって、路面のグリップも低くタイヤに厳しい。
つまり、しっかり止まれて、加速できて、中低速のパワーデリバリーがよくて
タイヤがしっかり持つマシン+ライダーが強い。
特に今年の焦点になりそうなレイVSレディングに注目すれば
去年、2度行われたアラゴン戦の2回目の方でレディングはフロントから
スリップダウンを喫しているんですよね。
これは気温の上がったレース2でレイが固めのフロントを履いたのに対して
レディングはフロントミディアムだったんですよね。
これは気温の上昇とレイアウトを考えればハードフロントが正解なんだけど
V4Rはマシン特性上、このタイヤが使いこなせないだからミディアムを
仕方が無く選んで、転倒するべくして転んだと。
このフロントを使いこなせるかどうか、カワサキ+レイに負けない
ブレーキングが出来るかどうかが、ドゥカティの今年の飛躍の鍵。
それをいきなりアラゴンで証明出来るかどうかというポイントは
今シーズンを占う意味でも重要なポイント。
もっと、言えばこの2人に割って入ってくる存在が出てくれば
それはチャンピオン争いに絡む資格があると。
特にハードブレーキングに定評があるヤマハのガーロフ
あるいは新生BMWのライダーたちか。
いずれにしろ、アラゴンはシーズンに直結する舞台。
楽しみです。