ホントなら鬼の居ぬ間に
3年前にF1のフェラーリからマッシモ・リボーラを
招聘したアプリリアは優遇措置もあって
他メーカーとの戦闘力の差をぐんぐんと縮めています。
今年は大幅な軽量化を推し進め、最低重量規定より
軽い車体を作り上げました。
現在のMOTOGPのスタンダードは最低重量より軽い車体を作り
その差分のウェイトを車体の各所に仕込むことで
より各サーキットの特性に合わせた重量配分を合わせ込むのが
セッティングとして普通に行われています。
アプリリアは今年、ようやくそのスタンダードに追いついたということ。
KTMが昨年優勝を飾ったことで、MOTOGPに参戦する6メーカーの中で
唯一、開発面において優遇措置を受けるアプリリア。
他メーカーがエンジンの開発凍結など、色々な制約を受けている今のうちに
更なる開発を進めたいところですが・・・。
結果的にうやむやというか、正式な発表は最後までされていませんが
アプリリアの一員であったブラッドリー・スミスはシーズン開幕前に
チームを離脱。結果的に去年、開発を請け負っていたロレンツォ・サバドーリが
今年は正ライダーのシートに収まりました。
そのため、今のアプリリアにはテストライダーが居ないんですよね。
本来であれば、優遇措置を使って、レースウィークのあるなし
関係なく、テストライダーがテストマシンでどんどん開発することで
他メーカーとの差を縮めるチャンスなのに、肝心の開発ライダーが居ない。
試しで乗ったドヴィジオーゾも開発に関与する気はないようで、あくまでも
2022年の正ライダーを狙いたいと公言。
せっかくのチャンスを逃す形になってしまっています。
来季になると他メーカーに課されているエンジンの凍結も解けて
エンジン開発が可能になりますから、今、縮まりつつある差が再び
広がる可能性もあるだけになんとも残念な状況ですね。
本来の形での開発競争になれば、メーカー規模の大きさ、投入資本の量が
そのまま開発速度に反映され、中小企業のピアジオ(アプリリアの親会社)では
いかんともしがたいものがあります。
それだけに今年のうちに一気に差を詰めておきたかった。