ライダーの意見を聞いてと言いますが

さて、ヨーロッパラウンド開幕戦

ポルトガル、アルガルベでの予選が行われたわけですが・・・。

 

今回からヨーロッパラウンドということで、

特殊な路面コンディションだったカタールと違って

通常スペックのタイヤが持ち込まれるこのラウンドが

今シーズンのパワーバランスを占うのに格好の舞台と思っていましたが

結果を見る限り、カタールとほとんど変わっていませんでしたね。

 

ヤマハドゥカティが変わらず好調。

スズキは現状維持。

ホンダとKTMは苦戦模様。

アプリリアはマシンが新しいので去年と比較出来ない。

 

という状況です。

 

この状況を生み出しているのが、ミシュランが持ち込んだ

タイヤアロケーションでしょうね。

ミシュランのエンジニアはライダーの声に耳を傾けて

対応した結果だとコメントしていますが、どのライダーの

声をよく聞いて対応したのか・・・・。

という感が強いです。

 

ハッキリ言えば、ドゥカティに一番優位に働いている感じですね。

去年のドゥカティは新しく投入されたグリップの強いリヤタイヤに

非常に苦戦し、マシンが強いアンダーステアに見舞われる状態と

なりましたが、今年はリヤのコンパウンドがワンランク硬くなって

相対的にグリップダウン。

反面、ヨーロッパから投入されるタイヤは去年までのハードが廃止になり

ワンランク柔らかくなる方向性、つまりグリップが上がる方向。

これなら去年苦しんだアンダーステア傾向が解消するのも納得というところです。

前後のグリップバランスが2年前に近づいた感じですね。

 

そして、この恩恵をついでに受けて好調になっているのがヤマハという感がありますね。

 

更にホンダとKTMというフロントにハードあるいはミディアムというどちらかと言うと

硬めのタイヤを装着して、ハードにフロントを攻め立てることでハンドリングが

成立しているメーカーのマシンには厳しい状況だと言えると思います。

マルクお得意のハードブレーキングも、それを支える剛性の高いフロントがあっての

話で、それが供給されないとなると、根本的なマシンコンセプトに関わってくる問題。

果たして、この辺の変更される経緯がミシュランから各メーカーにどれだけ事前情報として

提供されていたのか疑わしいところです。

 

マルク・マルケスが復帰したとはいえ、まだまだホンダは彼が万全になったとしても

茨の道が続きそうな予感がします。