カタールテスト 雑感 その1

開幕戦の舞台となるカタールでの今年初のMOTOGPテストが

終了し、いよいよ開幕戦を待つ形となりました。

 

ここではハード編、ライダー編に分けてカタールテストの

様子について触れていこうかなと・・・・。

 

まず、ハード編ですが、今シーズン、2021年に関してはエンジンの開発が

凍結されており、メーカーが開発できる領域はシャシーとエアロダイナミクスとなっています。

 

特にこのカタールで目に付いたのはウイングレットを各社各種登場させていること。

やはり、エンジンの開発が出来ないぶん、ライバルに差をつけるには

この分野が重要になってくるというのは各社の一致の認識というところか。

 

特にこの分野の先鋒たるドゥカティはカウル下部にエアダクトを設けて

空気を下方向に曲げるような形で車体を下に押し付ける新しい発想を

持ち込んできましたね。

 

他のメーカーがウィングレットを巨大化しただけだったのに対して

相変わらず一歩先を行っている感がありました。

速いエンジンにダウンフォースで押し付けてグリップを稼ごうという

考え方は今年も健在です。

 

それから去年未勝利という屈辱のシーズンを送ったホンダは

このテストの前にテストライダーのブラドルが合計10日間にも

及ぶテストを敢行するなど、今シーズンに対する並々ならぬ決意を

感じさせる早さでマシンを仕上げつつありますね。

マルクの復帰は未定ですが、マルクじゃなくても勝てるマシン作りが

今年のホンダの課題でしょう。

今年はメインフレームの形状が変わっていて、より旋回性を増す方向

ピボット周辺の剛性を落としているようです。

 

毎年毎年、マニアで無ければわからないようなちょびっとずつの

変化をしていくヤマハは去年大きく外観の変わったM1を熟成路線。

去年は久々に大きめに手をいれたもののトータルバランスはお世辞にも

いいとは言い難い部分があっただけに、その辺のパワーアップしたエンジンと

どのコースでも安定して性能を発揮する安定感が欲しいところ。

ただ、リヤだけではなくフロントフェンダーにも大きな穴があいており

相変わらず、タイヤに熱負担を強いるマシンキャラクターは変わってないようで

これが良くも悪くもこのマシンのポイントになりそうです。

タイムは出てはいるんですけどね・・・・。

 

KTMは去年3勝を挙げたマシンを熟成させてきていますが、いかんせん

MOTOGPクラスの経験が浅い3人と、移籍して来たばかりでKTMが初めての

ペトルッチということで、セットアップに苦心している模様。

ペトルッチが元気ななのが唯一の救いか。

やはり、若いライダーが多いのがマシンのセットアップのアキレス腱になりそう。

 

アプリリアは車体をダイエット。ようやく最低重量以下までマシンを軽くすることが

出来ました。これでバラストを搭載してコースに合わせて重量バランスを変更することが

出来ますし、もちろん軽くなった分加速力もあがっている模様です。

実際、去年よりもタイムシートの位置は確実に上がっています。

ただ、スミスに逃げられたことで、シーズンが始まったら誰がマシンを熟成するのか

という問題点は残ります。

 

そして王者スズキですが・・・・。

実は一番変更点が少なかったのがスズキで、2022年に向けて新型エンジンを

試していたようですね。

2021年シャシーも試していたようですが、いかんせん去年、最も成功したマシンだけに

高次元でバランスが取れており、なまじ手を入れない方が結果的に良い結果に

繋がるような気がしますねーーー。

ただ、去年よりアドバンテージは減っているでしょうから、どこまでバランスで勝負が

出来るかというところでしょう。

 

明日はライダー編。