王者の苦闘

6冠王者 ジョナサン・レイにとっては苦闘のレースが

続いていますね。

アッセン以降の4開催で、勝ったのはマニクールとカタルニアの

SPレースのみ。

しかもマニクールは例の一件があっての裁定ですから

実質、カタルニアのSPレースのみで、通常距離のレースは

全く勝てていません。

 

どうも、KRTのタイヤチョイスを見てみると、

ドニントンパーク以降のレースはフロントタイヤは

スーパーソフトのデベロップメントタイヤをもう決め打ちで

使っているようですね。

 

昨日のカタルニアのレースでもKRTの2人以外は全員

フロントには通常のソフトを履いていました。

 

これはとにかくソフトなフロントタイヤでブレーキングからの

旋回力を重視して、速さをピンピンに引き出す方向で

勝負をかけないと速さでライバルに対抗できないということなんでしょうね。

 

スーパーソフトのデベロップメントタイヤは

通常の半分の距離のSPレースに使うスーパーソフトをベースに

航続距離を伸ばす方向で開発したゴムを使っているタイヤで

通常のソフトよりはゴムが柔らかいですから、当然上手く使わないと

レース距離を走りきることは出来ないリスクがあります。

100m走で言えば、70mあるいは80m地点で足が終わってしまうみたいな。

それを承知で使わないとならないほど、今のKRTとレイは追い込まれた

状況と言えると思います。

 

昨日のレース2はまさにそれで、終盤、がっくりペースが落ちたのは

フロントタイヤが完全に終わってしまったみたいです。

レディングに追突しそうになったのは、ブレーキングミスではなく

ブレーキをかけてもマシンが止まらず追突しそうになったため、

慌ててブレーキを更に強く握ったためリヤが浮いてしまったと。

つまり、あの時点でフロントタイヤが終わっていた。

 

KRTとしても何とかレース終盤まで持たせる方向で

フォークを新しくしたりしているようですが、

未だに速さとロングラン性能のいいバランスポイントを

見出すことが出来ずにここまで来てしまったようです。

マニクールではフロントは持ったけど、リヤタイヤが

終わってしまいました。

 

それでも去年までは通常のソフトタイヤで連覇出来ていた

わけですから、ライバル勢が急速にタイヤを理解し、使いこなすことが

出来るようになったということなんでしょうね。

 

7連覇はもはや風前の灯か。