タイヤに笑って、タイヤに泣く

前回のアッセンでは見事なタイヤチョイスを決めて

完勝したカワサキ+レイでしたが、チェコのモストの

レースでは一転、大苦戦のレースとなりました。

その要因は、やはりここでもタイヤでした。

 

去年から今年にかけてピレリは基本的に4種類のタイヤを

持ち込んでおり、それが前後ですから、各ライダー、チームは

そのタイヤのチョイス、前後の組み合わせを思考苦越し、

決定することになります。

 

その内訳は以下の通り

 

Aタイヤ SCX  SPポールレース用のスーパーソフトタイヤ

        基本的には通常レース用よりライフが短い

Bタイヤ SCXソリューション  SCXをベースにライフを伸ばす開発をした

               先行開発タイヤ

Cタイヤ SC0 それまでのレースで使われていたスタンダードなソフトタイヤ

 

Dタイヤ SC1 ほぼ出番の無いハードタイヤ

 

今回のモストではカワサキ+レイはレース1ではフロントに

SCXソリューション、リヤにソフトを履きました。

ドゥカティ+レディングは前後共にソフト

ヤマハ+ソフォーグルはフロントにソフト、リヤにスーパーソフトソリューションを

履いています。

既に何回かこのブログにも書いていますが、ヤマハはリヤに

この柔らかいスーパーソフトあるいはスーパーソフトソリューションを

履かせるセットアップが多いですね。

 

前回のアッセンではリヤにスーパーソフトソリューションを履いて

ドンピシャだったカワサキ+レイですが、今回はフロントに履いて大失敗。

このタイヤは残り5周くらいで完全にその性能を失い、レイはフロントの

切れ込みで2度の転倒を喫することになりました。

これは滑りやすい路面とタイヤとマシンのマッチングから来るものですね。

 

最悪だったレース1の翌日、カワサキ+レイはオーソドックスな前後ともに

ソフトタイヤを履きますが、今度は速さが足りていませんでした。

同じタイヤを履くレディングにも全く付いていけませんでした。

 

長いこと、WSBで絶対王朝を築いているカワサキ+レイですが、

それはこの通常のソフトタイヤの使い方、セットアップが抜群に上手かったからです。

それが2019年のSPレースの導入によって、スーパーソフトであるSCXが投入され

更にそのSCXをベースにライフを改良したSCXソリューションが登場し

これを使いこなすチーム、ライダーが出てくると、カワサキ+レイの

アドバンテージにも陰りが出てきているようにも見えます。

 

昨日から始まったカタルニアテストではフロントフォークの改良版を

試しているそうですが、それもタイヤを使いこなすために、足回りの

改良を進めていると見ていいでしょう。

 

これからも毎戦、タイヤチョイスの難しいレースが続くでしょうが

果たして、カワサキ+レイは底力を見せて連覇を続けることが出来るでしょうか?

まだまだ余談は許しません。