ギャンブルチョイス
WSBは2週連続アラゴンでの開催となりましたが
マイケル・ルーベン・リナルディが初優勝を飾りました。
彼はドゥカティのJrチームに所属し、かつてはスーパーストック1000クラスで
チャンピオンにも輝いたことのある実績がありますから
決して遅いライダーではありませんが、スーパーバイクに昇格してから
まだ表彰台さえ獲得したことの無かったライダーですから
このポールトゥウィンはビックリでしたね。
彼の今回の快走は彼が決勝で選んだタイヤチョイスにあったようです。
今回、ピレリはこのラウンドにフロント3種類、リヤに4種類のタイヤを
持ち込んでいますが、リナルディ陣営はその中でもスーパーソフトと
言われるSCXをリヤに選んだで第1レースに臨んだとのこと。
SCXはスーパーソフトの呼称の通り、本来は予選などの一発アタック
あるいはスーパーポールレースのように周回数の少ない場合に
使うのが本来の目的で、レース距離では持たないというのが通説でした。
しかし、リナルディ陣営はこのタイヤをレース距離持たせるセッティング
ライディングを確立し、見事にこれを結果に結びつけたということですね。
ただし、これは非常にギャンブル要素の強いチョイスだったと言えると思います。
実際、ジョナサン・レイやスコット・レディングといったチャンピオンシップを
戦うライダーは実績のあるSC0をチョイスしており、SCXをチョイスしたのは
予選に失敗して追い上げをしないといけなかったチャズ・デイビスと
先週SCXで3位になったアルバロ・バウティスタだけです。
そのデイビスは追い上げるはずが、逆にリヤタイヤと獲得することになって3位止まり。
バウティスタは転倒リタイアに終わっています。
リナルディの走らせる去年型ワークスマシンに対してデイビスの駆る
今年のワークスマシンはリヤの荷重を増やす方向でモディファイされてますから
リヤタイヤの消耗が激しかったのかも知れません。
恐らく、今日のスーパーポールレースではジョナサン・レイもこのタイヤを
チョイスしてくるはずですから、同じタイヤを履いた時にリナルディと
どういう戦いをするか、非常に興味深いところですね。