勝てないトプラック

またしても・・・。

エストリルで行われているWSB第3戦ポルトガルラウンドは

先ほど、スーパーポールレースが終了しました。

結果はジョナサン・レイが最終ラップで逆転優勝。

ヤマハのトプラック・ラズガットリオーグルは最終の

シケインで転倒寸前のスライドを回避しましたが

その隙に、レイにかわされて2位に終わりました。

これで、トプラックは開幕から8レースを終えて未だに勝利なし。

 

昨日行われたレース1では最終ラップの最終コーナーの立ち上がりで

バウティスタに抜かれるという展開で、勝利を逃しています。

 

今季のトプラックを見ていると、去年と同じくやや柔らかめのタイヤを

履いて、スタートからゴールまでプッシュし続けるという

戦い方は変わっていないように見えます。

 

しかし、ライバルの方がシーズンオフの開発で積み重ねた分が

大きく、去年のような展開にならないためにライダーに

プレッシャーがかかってミスを誘発したり、負けたりしているように

見えますね。

 

例えば、昨日のレース1では最後、バウティスタに抜かれたわけですが

ドゥカティはタイヤマネージメントの観点から、長身、重量級のライダーを

外して、軽く小さなライダー2人を揃えました。

加えて、車体の重量配分を見直して、より後輪荷重を増やしたように見えます。

ラクションを良くしてタイヤの摩耗を抑える方向性ですね。

ドゥカティはWSB随一のパワーを誇る反面、タイヤに厳しいマシンでも

ありますが、そこを克服してきたように見えます。

昨日のレース1の勝利はまさにそれが形になって表れた。

2019年の快進撃の時はほぼ先行逃げ切りで、昨日のような後方追い上げでは

無かったですからね。バウティスタは完璧にタイヤのライフをコントロールしていました。

トプラックはリヤタイヤが摩耗していて最後加速が効かなかった。

 

また、カワサキジョナサン・レイも去年のようにトプラックに抜かれた後

ズルズルと差をつけられることは無くなって、ほぼトプラックと同じペースで

レースを走り切れるまでセットアップが決まってきてますね。

既に熟成の極みのZX-10RRですが、今年はショーワが新しいサスペンションを

投入しており、それがよりピレリとのマッチングを良くしているようですね。

 

相対的にライバル2メーカーがオフに弱点を克服してきたのに対して

ヤマハはほぼ去年のままの仕様ですから、差は縮まるかむしろ、

ディスアドバンテージを抱えている感じですね。

まあ、タイトルを取った翌年のシーズンは開発が難しいと言いますが

ヤマハもそれにハマってしまったようです。

完成したバランスを維持しつつ更なる高みを目指すのは難しい作業です。

それでもそういう状況から逆転してこその王者。

トプラックの戦いぶりに注目が集まりますね。

本当の強さを見せられるか。