驕れる者は久しからず

アルゼンチンでWSS600に参戦している

ドミニク・エガーターが初の世界王者に輝きました。

この事は、エガーターというライダーの卓越した

スキルを見せつけたと共に、彼の所属するテンケイト・レーシングの

チーム力の高さを改めて見せつける形になりましたね。

 

テンケイト・レーシングはホンダ時代に10回のWSSタイトルを獲得

1回のWSB王者を獲得していますが、メーカーをヤマハに変えても

変わらず強かったことを証明しています。

 

だからこそ、ホンダがWSBにフル参戦復帰する際に、何故にここまで

有能なチームとのジョイントを選ばず独自チームとして戦うという

遠回りかつお金と時間がかかる選択をしたのか疑問です。

 

実際、既存のワークスチームはすべからく海外のチームと

メーカーがジョイントする形をとっています。

ヤマハはクレセント・レーシング

BMWはション・ミュアー・レーシング

ドゥカティはフィールレーシング

カワサキはプロヴェック。

これはつまり、餅は餅屋で、レースを運営するのは

経験豊富なレース屋に任せて、メーカーはそれ以外の

本社とのやりとりや、マシンの開発といった部分に注力するのが

最も効果的に結果を導き出す方法だからでしょうね。

 

ところがホンダはそれをせず、ワークス復帰する際には

テンケイトを切り捨て、森脇緑さんが陣頭指揮を取って、

イタリアのアルティアレーシングが実務を司るモリワキ・アルティア・レーシングを

作らせて、わずか1年データ収集的に参戦させる格好を取りました。

結果的にこのチームはわずか1年で解散、しかもアルティアは

HRCのワークスチームにメカニックを引き抜かれて、結構散々だったようです。

 

そしてHRCは2020年からワークス復帰を果たしたわけですが・・・。

ここまで2年間で最高位は3位が3回、世界王者はおろか、優勝も

まだかなり遠い状態です。

 

ホンダが復帰の際にそれまで長いことWSBでホンダの看板を背負ってきた

テンケイトを切り捨てた背景は知るよしもありませんが

そこには第3期F1復帰の際に、ホンダ不在時もずっと継続活動していた

無限の人員、ノウハウを引き継がなかったのと同質の驕りを感じます。

つまり、俺らが本気でやれば、すぐタイトル取れるよ、だから

お前らの助けは要らないという間違った現状認識ですね。

 

なぜ、そこまで根拠の無い自信があるのかわかりませんが

ホンダはしばしばこういった勘違いをするメーカーで今回も

その悪しき伝統が出てしまったというところか。

 

遂には来季はエースだったバウティスタに出て行かれ

何やらレコーナとビエルへという、それ大丈夫かい?という

2人で臨むようですが、果たして、今の状態でWSBでタイトルを

獲得することは出来るんでしょうか?

当分、出来ないと思うぞ。

F1みたいにある段階で間違ったやり方を改めるチャンスが

あればまた話は違うんでしょうが、今のままでは・・・。