最初の一歩 2019年を振り返る WSB編 その4

今年のWSBの話題のひとつに

ホンダ、HRCが遂にWSBに帰ってきたということですね。

と言ってもフル参戦のワークス体制ではなく、

そのための偵察部隊という役割のモリワキとその実働部隊である

アルティアレーシングの合併チームという形でしたが。

 

WSB嫌いの中本修平さんが退職されて、ヨーロッパ市場も

無視できなくなったホンダからすれば、WSB参戦は必然で

しかもWSBのノウハウがあるテンケイトと手を切った以上

まるっきりデータ無しで打って出るのは無謀、そのために1年かけて

データ収集、今のWSBの戦うフォーマットを学んだと言うところでしょうか。

 

ただそれを差し引いても厳しい戦いとなりましたね。

一年落ちの全日本のワークスマシンを走らせるレオン・キャミアは

タイで接触アクシデントに遭って長期欠場

一人マシンを任された清成選手は最後尾を走ることも多く

同じホンダユーザーながらプライベートマシンを走らせる

アルティア・レーシングのデルビアンコに負けることもしばしばでした。

これはデルビアンコのマシンがモリワキのパーツも混ぜた

ピレリタイヤにアジャストしたマシンに対して

ワークスの2人のマシンは全日本のブリヂストンタイヤに合わせて

造られたマシンでピレリとのマッチングがかなり悪く、それが

結果にも反映されていたと思われます。

 

それでもそこはホンダですから、この1年間の苦戦のデータを

必ず、新しいCBR-RR-Rに反映してくることでしょう。

とにかくバルセロナの近郊にファクトリーも建てたということは

長期体制も睨んでの参戦ということですから、これはライバルも

戦々恐々というところでしょう。

果たして来年のホンダの本気初年度はどういう爪痕を残すのか。

非常に興味が持たれるところですね。