サバイバル  2019年を振り返る WSB編その3

今シーズンのWSBを振り返るにあたって

やはりこの言葉が出てくるでしょう。

「サバイバル」

今年からスーパーポールが無くなって周回数が半分の

スーパーポールレースが採用、ライダー達は週末に

3つのレースを走ることになりましたが、やはりというか

肉体的な負担は大きいようで、一時期MOTO2移籍の噂が流れた

サンドロ・コルテセもポロっと大変だとコメントしています。

 

実際、今年はクラッシュの数も多くて、スーパーバイククラスだけで

実に132ものクラッシュを喫しています。

これは予選よりもより攻め込むレースが増えたことと無関係では無いでしょう。

それだけメカニックはマシンを修復しないとならないですし、

ライダーは生傷が絶えないシーズンとなっていることがわかりますね。

エンジンにも過酷です。

その割にはエンジンブローは少なかったなぁという印象があります。

特にドゥカティは。

 

決勝レースで何のトラブルも抱えていないのにジョナサン・レイ

転倒したことも象徴的な出来事だったですね。

 

レース数が増えたこと以外にも2つのサバイバル要因があって

ひとつは、上位と下位のタイム差が縮まったこと。

共通ECUを使うMOTOGPがトップからテールエンドまで2秒以内

という超接近戦を演じているのに対して

3秒以上という差がつくことも珍しくなかったWSBですが、

今季はメーカー数が減ったことや、プライベーターが力をつけてきた

(特にペデルチーニ)によりタイム差が縮まってワークスに

プライベーターが割って入ることも珍しくなくなりました。

これによりあちらこちらで接近戦、WSBらしい肉弾戦が見られましたね。

 

それからヨーロッパを襲った異常気象による猛暑。

これはMOTOGPでも影響が見られましたが、路面温度が過剰に上昇した結果

タイヤのグリップが失われてのスリップダウンが多発。

路面の舗装とのマッチングもあって、特定の開催で転倒が多発する

という結果になりましたね。

これに関しては来年以降もこの傾向は続くと思われます。

特にイタリア、ミザーノサーキットはこれが顕著で26回もの転倒がありました。

来年は開催時期がずれるかも知れないですね。

 

しかし、全体的に見ればDORNAの目論む通り、上下がギュッと詰まった

混戦が見られたシーズンであったと言ってよいでしょう。