2017年の傾向と対策 ④
今シーズン、ドヴィジオーゾのライディングによって
マルケスに並ぶ6勝をマークし
ただ、マルケスはなべてどのコースでも表彰台に
近い位置を走っているのに対し、
GP17はサーキットごとの得意、不得意がハッキリしている
マシンで、それが終盤のフィリップアイランドと
バレンシアで出てしまった感じですね。
以前も書いたように、青木ノブさんの言うところの
前後の重量バランスを最も後ろに持っていくことで
ミシュランタイヤでも非常に安定したブレーキングを可能にした
GP17ですが、反面、フロントの旋回性が劣っているという
ハッキリした欠点を抱えており、それが高速旋回性を問われる
フィリップアイランドと中低速ミッキーマウスコースである
バレンシアで露呈した形ですね。
それを補うのがロレンツォが使っているような
巨大なウイングカウルでしょうか。
あれを使う事によってフロントのスタビリティを上げて
コーナーリングスピードを上げる乗り方が可能になる。
後ろよりの重量配分にフロントのダウンフォースで
バランスを取っている感じ。
既にドゥカティ陣営からは発表されてますが、今季は
ドヴィジオーゾとロレンツォでは、マシン作りの方向性が
かなり違ってくると言われているので、ホンダやヤマハのように
ライダーにより合わせ込んだマシンを出してくる可能性が高いですね。
ただ、ヤマハの直4と違って、重心が高くなるV4ですから
ロレンツォの好む、コーナーをベタっと重心が下がった
状態で回るマシンが作れるかどうか。
これが出来れば、昨年もしばしば快走をみせたロレンツォが
いよいよ怖い存在になってくるかも知れません。
彼の場合、あの巨大なウイングカウルを使う分、フロントの
消耗が早いので、その折り合いをつけることが最大の課題ですよね。
ドヴィジオーゾは早い段階で、ロレンツォの方に
チームが行きすぎないように、結果を出すことでしょうか。