安定は足元から  2019年を振り返る MOTOGP編

今シーズン、史上最高の獲得ポイントを

得たマルケスですが、その要因のひとつは

やはり、タイヤが安定して性能を発揮できたことも

大きかったように思います。

 

ミシュランにスイッチした2016年がそうだったように

非常に路面温度、路面コンディションに敏感な傾向のある

ミシュランで、シーズン通して安定した結果を残すには

常にタイヤの性能を発揮するセッティングをばっちりと

施す必要がありますから、そういう意味ではミシュランになって

4年目、どのメーカーもこのフレンチタイヤの特徴を掴みつつある

ということでしょう。

 

もうひとつはミシュランのエンジニアが発言しているように

2019年は耐久重視のタイヤをほぼ全戦に投入したということで、

温度に敏感ではなく、ある程度鈍感なタイヤにしたことで

セッティングの当たり、ハズレが小さくなり、安定してタイヤを

適正な温度に入れて使うことが出来たというのも大きいでしょうね。

2018年まではヨーロッパラウンドはグリップ重視、つまり

温度管理が神経質なタイヤ、ヨーロッパ外ラウンドは耐久重視の

温度管理が鈍感なタイヤを投入していたそうです。

 

2017年頃のヤマハなんかは前日から全くセッティングを

いじってない状態でも、前の日からの路面温度の変化や路面のラバーの

付着状態ですぐにタイヤの性能が発揮できなくなって全く

グリップしない状況になっていましたからね。

これは温度変化に敏感過ぎるタイヤではあることで、

温度が下がりすぎても、上がりすぎてもタイヤの性能を発揮できない

というところ。

耐久重視だとこの温度のストライクゾーンが広くなりますから

安定して速さを発揮できるようになるということになりますね。

 

ただ、今年の結果を受けてミシュランは来季、2,3秒近い

ラップタイム向上が見込まれる新しいリヤタイヤを投入すると

明言しているだけに、このタイヤが温度に敏感なのか、鈍感なのか

各メーカー、気がかりなところでしょう。

特に世界的な異常気象でヨーロッパラウンドも軒並み熱波にさらされて路面温度がかつてないくらい、上昇傾向なだけにね。