正直者はバカを見るのか

マット・オクスレイによるとホンダとドゥカティ
V4勢が速さを発揮している理由のひとつとして
外部フライホイールの採用があるそうだ。
イメージ 1
外部フライホイールってのは、つまり外から
付けられるフライホイールって意味だけど
そのメリットは?というと、
今のMOTOGPのエンジンは仕様が凍結したら
封印されるので、シーズン通して同じ仕様のエンジンを使い続けます。
だから当然、クランクシャフトの重さも決まっていて
このクランクシャフトの重さがコースによって良かったり
悪かったり、つまり1種類の仕様しかないとコースごとの
相性みたいなものが出てしまう。

外部フライホイールってのはこれを解消する裏ワザみたないもんで
これを色々な重さの物を取り付けることで
クランクシャフトのウェイトを重くしたり、軽くしたりと
同じ効果が得られるというものらしい。

つまり、グリップのいいコースだとタイヤがグリップするから
軽いフライホイールにしてビュンビュン回る仕様のエンジンに出来るし、
グリップの悪いコースだとしっかりとタイヤをグリップさせるために
重いフライホイールを取り付けることで、
ラクションのいいエンジンにすることが出来るということ。
まあ、ミシュランが持ってくるタイヤとコースとの相性次第ってのが
一番大きな要因になるかな。

つまり凍結されていて1種類しか無いエンジンを
よりコースにマッチした仕様にカスタマイジング出来るという話。
イメージ 2
で、V4エンジンだとそもそもエンジン幅がスリムだから
エンジンの外側にクランクシャフト軸線上に
この外付けフライホイールを付けられるけど
直4は横幅があるからバンク角の制限上付けられない。
だから直4が不利だ、という理屈のよう。

同じV4でもドゥカティとホンダは既にこの技術をものにしていて
よりサーキットに合わせ込んだエンジンで走ることが出来るけど
アプリリアKTMはそもそもこの裏技に気づいてない可能性が高いね。
イメージ 3
オーストリアでタイヤが全くグリップしない症状に見舞われた
ヤマハだけど、例えばこれが外付けフライホイール
重いウェイトをつけて、よりトラクションに優れた仕様の
エンジンに出来れば、問題は出なかったのかも。

まあ、どちらにしろ、IMUの件同様、レギュレーションの
隙間をついた姑息な手だとは思いますけどね。

レギュレーションを真正面から受け止めて、真摯に対応している
ヤマハが損をして、抜け道を見つけたライバルが前を行く構図は
必ずしも気持ちいいものではないな。