ミシュラン的マシン作り

今年でミシュランタイヤに変更されて3年目と
なりますが、各メーカー、そのタイヤ特性に
合わせ込む形でマシンも作り込みが熟成されてきましたね。
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つまり、BSの16.5インチタイヤに対して
限界が低いMIの17インチフロントタイヤでは
簡単にフロントタイヤの限界を超えてしまう。
だから今のMOTOGPマシンはとにかくフロントタイヤにかかる
荷重を減らして、リヤのトラクションを稼ぐために
リヤ荷重にしている方向性。
それが結果的にコーナーの奥まで突っ込めるマシンになっている。
もちろん共通ソフトになって電子制御が効きにくくなった分
ラクションを稼ぐ意味でのリヤ荷重もあると思います。
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スズキの青木ノブさんによれば、この後輪荷重重視の傾向は
ドゥカティが一番極端で、次いでスズキ、ヤマハ、ホンダの順だとのこと。
後輪荷重が増えるほど、前は軽くなってウイリーしやすくなりますから
ドゥカティが早い段階で大型のウイングレットを使いだしたのも
その辺のマシンバランスとの兼ね合いだと思います。
アプリリアも燃料タンクを全てシート下に収めちゃいました。

逆に言えば、ホンダは上位陣では一番フロント荷重が多くって
それがゆえにフロントタイヤの限界を容易く超えやすくって
フロントからの転倒が多くなるってことなんでしょうね。
今年からホンダは大型のウイングカウルを使い出してますから
ちょっとライバルに近いマシンバランスにはなっているかも知れませんが。
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だからマルケスの鬼ツッコミはホントに彼の乗り方というか、
限界ギリギリというか、常に転倒と紙一重の走りなんでしょうね。
もちろん、彼の乗り方が他と違うってのもありますが
並みのライダーなら転倒するか、他のメーカーのマシンに突っ込みで
負けてしまうってことになると思います。
今シーズン、ホンダからドゥカティに乗り換えたミラーや
ラバットが速さをみせているのは、安心して突っ込めるドゥカティ
というマシンの優秀性の表れ、ホンダの乗りにくさの表れでしょう。
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来シーズン、ホルヘ・ロレンツォがホンダに加入するわけですが
彼は典型的なフロントタイヤのグリップを重視するライダー。
今の彼のフロントを攻め立てる乗り方はドゥカティのリヤ荷重重視で
フロントタイヤの限界を高く保てるからこその速い進入が出来ている
という部分があると思うだけに、ホンダに乗り換えて不振に喘ぐことになるか
はたまた、ホンダが彼に合わせたマシンバランスを調整してくれるのか
その辺は非常に重要なポイントになってくると思いますね。
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