ツインの限界
ドゥカティのボス クラウディオ・ドメリカリに
よれば、V4パニガーレ投入に至った要因は
現行のV2パニガーレ(Lツインと呼んだ方がいいのか?)
のパフォーマンスが限界まで来ているというのが理由とのこと。
まあ、実際、現行パニガーレはドゥカティのWSB歴史上
初の無冠のマシンで終わりそうですからね。
元々、ドゥカティのマシンはコーナーリングスピードは
それほど高くなくって、むしろゆっくり回るけど
そこからツイン特有のトラクションのかかりの良さと
プラスアルファの排気量を生かした脱兎のごとくの
脱出速度が武器で、加えるとすればタイヤを長持ちさせることが出来ることも
レースでは強い武器になってましたよね。
でも、近年、特にここ数年はライバルの電子制御の技術が
発達したために、このトラクションのかかりの良さや
タイヤを長持ちさせられるという特長が消え失せてしまって
あとは純粋にコースを速く走る能力に焦点が当たる結果になっています。
この一周のラップタイムという点に着目した時に
現行のLツインエンジンは特にブレーキングで
負けてしまうというのが、ドメニカリさんの主張。
つまり、本来であればもっと前輪荷重を稼ぎたいのに
Lツインというレイアウト上、それも限界があるってことみたいですね。
実際、1198からパニガーレにモデルチェンジした際に
エンジンを後傾させて、モノコックにすることで、
エンジンをかなり前進させてはいるんですけどね。
チャズ・デイビスが非常にフロントからの転倒が多い
ライダーってイメージがあると思いますが、彼は
長身を活かして頭を思いっきり、前まで持ってきて
カウンターを充てながらブレーキングするという曲芸まがいの
乗り方を毎周みせてますが、あれはホントに限界ギリギリの
走りで、あそこまでしないとカワサキのブレーキングには
対抗できない、つまりパニガーレの限界ってことだと思います。
実際、あそこまで攻めた走りをしなければ、メランドリィを
して一勝しか出来ないマシンなわけですから。
ドメニカリによれば、V4エンジンにしたことで
より適正な重心位置にエンジンをレイアウトすることが
出来るようになって、それがレースでの速さに繋がるって話ですね。
彼の言っていることが正しければ、2019年は強いドゥカティ
復活の年となりそうです。
来年は・・・・。