6年の歳月 その2
落ちが非常に少ないことに感銘を受けた話は
前回書きましたが、もうひとつは
ブリヂストンのフロントタイヤのスタビリティの
高さでしょうか。
これはむしろ、ロッシよりもケーシーの方が言っていて
彼は2006年非常に転倒が多かったんですよね。
これは彼のフロントで攻め込むスタイルに起因する
フロントからのスリップダウンが原因なんですが、
彼はドゥカティで初めて乗った時にそのフロントの
スタビリティの高さで、行けるって思ったそうです。
これトーチュウでお馴染み遠藤さんが言っていたことですが
それぞれの構造の一番の違いはタイヤのケースに乗っかっている
ゴムの厚みの違いで、一番厚いのがDL、次いでBS、でMIの順。
ゴムが厚いということはそれだけ熱が入りやすく反面
熱が逃げにくいのでタイヤがオーバーヒートし易い傾向があり
また、タイヤの限界付近ではゴムが変形するのでライダーが
限界を把握しやすいというメリットがあります。
一方のミシュランはゴムが薄いため非常にかっちりした
フィーリングの反面、あっと思ったときにはスリップダウンという
カミソリ的な側面があって、これはBSで育った玉田さんや
BSで長いこと走った中野さんがコメントしてますね。
2人ともミシュランに履き替えて苦労してました。
また放熱性が高いために、場合によってはタイヤが暖まらない
という側面も持っています。
で、BSは両者の中間的な特性を持っているそう。
かつ、DLのようなオーバーヒート傾向が無い。
これはゴムの進歩が大きいところですね。
今回、ケーシーがテストすると聞いて思ったのが
フロントからステーーンって行かないかな?って話。
もちろん、手探りで行くとは思うけど、今の65度っていう
驚異的なバンク角はもう見られなくなるかもって
思いますね。
もちろん、この6年間のゴムの進歩が目覚しいものがあるのは
市販タイヤを見てもわかるし、何よりミシュランが
自身の弱点をそのままにするとも思えないので。