タイヤに笑い、タイヤに泣く ①

もてぎでは予想外なことにヤマハの2台が
転倒リタイアとなり、マルケスがこの段階で
年間王者を決めることとなりました。

でも、このヤマハの2人の転倒とマルケスの優勝が
まさに今シーズンを象徴している結果かなと。

今シーズンからタイヤ、特にフロントタイヤが17インチの
ミシュランになったわけですが、このフロントに関しては
ロッシは再三「プッシュしすぎた時のフォローが効かない」
とコメントしています。
これはひとつは16.5インチに比べて、ラウンド形状が尖っている
17インチの特性と、ケースの上に乗っているゴムが薄いために
限界特性が掴みにくいミシュランの特性が相まって生まれたものだと
思います。
実際、ロッシがドライコンディションの決勝レースで
何度もフロントからスリップダウンするシーズンは見たことがありません。
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これに加えるとすれば、去年からの傾向としてブレーキングで
より奥まで突っ込めるようにフロントへの荷重をギリギリまで減らしている
というマシン作りの傾向もあるかも知れません。
これは去年、ヤマハの辻さんが言っていたことで、もうフロントタイヤの
性能は100%使い切っている、だからより奥まで突っ込んで
止まるにはリヤタイヤの性能も使わないとならない。
そのために、フロントタイヤの性能を引き出すギリギリは残しておいて
リヤ側に荷重を持っていく方向の車体。
これが今のMOTOGPのトレンドのようです。
ただ、これが今年のミシュランの特性と相まって、ライダーへの
フロントのフィーリングが希薄になっていたのかなと想像します。
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元々、ヤマハのマシン作りはフロントのスタビリティを非常に
重視する方向なんで、これに現在のマシン作りのトレンド
ミシュランの特性などの要素が相まって、もてぎのロッシの
フロントからの転倒という形になって、今シーズンの問題点が
浮き彫りになったということでしょうか。
実際、ロッシのコメントでもなんで転倒したかわからないけど
転倒したってことは限界を超えていたということなんだと思う。
というところに集約されているようにも思いますね。