僕にはミシュランが合っている

まあ、大前提としてセパンに持ち込まれた
新しいスペックのフロントタイヤのグリップがある
という前提ですが、ロレンツォ的には
自分のライディングスタイルにミシュランは合っている
とのこと。
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この発言を読み解くヒントとしてはヤマハのテストライダーの
中須賀さんの発言が非常に参考になります。
中須賀さんいわく、ブリヂストンミシュランのタイヤの違いは
ブリヂストンはタイヤを潰して、
グリップを発揮させてやるのに対して
ミシュランは表面のゴムでグリップしているような感じ」
とのこと。

このタイヤを潰してグリップさせるというのは
ブリヂストン共通の特性で全日本でも言われている話。
逆にいえば、ST600で使っていたピレリなんかは全然そうじゃないみたいですね。

つまりブリヂストンの場合、ブレーキングからの
荷重移動でフロントタイヤを潰してグリップを発生させたら
その状態で荷重をかけ続けないとグリップが発揮されない
ということ。
だからライダーは旋回中も一定の荷重をかけ続ける乗り方が要求される。
これはロッシも言っているけど、常にタイヤに荷重をかけて変形させた
状態をキープするってこと。

対して表面のゴムでグリップしているミシュランはそこまで
フロントタイヤに荷重をかけなくても十分グリップを発揮するタイヤ
ということなんじゃないでしょうか。

元々、ロッシやマルケスに比べてハードブレーキを多用する
スタイルではないロレンツォにとっては、そこまで高荷重を
要求しないミシュランの方が自分のスムーズなスタイルに合っている
という意味での発言じゃないでしょうか。

じゃあ、今シーズンはロレンツォの圧勝かというと
そうは単純な話ではなくって、例えば先日話したように
トラクションコントロールが常に一定の効き方しかしないんで
リヤタイヤのグリップダウンが始まった時に
フロントタイヤとのグリップバランスが崩れるとどんどんと乗りにくい
方向になっていく可能性があります。
そうなると、むしろ、マシンを直立させた状態でブレーキングする
ロッシのスタイルの方がタイムの落ちは小さい場合も有り得る話。

だからミシュランの持ち込むタイヤと路面のグリップ
ライディングスタイルとのマッチングが勝負を左右するということか。