前は薄く、後ろはしっかりと

今シーズンでMOTOGPへのタイヤ供給を止める
ブリヂストンタイヤですが、今シーズンも
このタイヤをいかに使いこなすかが、
勝利の大きな条件になりそうです。
 
2012年の序盤にライダーの要望を受けて
耐久性よりも、扱いやすさを優先させるために
フロントタイヤの剛性を落とした結果、
フロントタイヤに荷重をかけすぎると腰砕けに
なってしまうのが、今のフロントタイヤの傾向。
特に重量物の大半が前方に配置される直4のヤマハ
この傾向が強くって、ヤマハの中島さん言うところの
「限界まで、フロントを薄くする」
ことが重要なポイントになっていました。
これはタイヤが腰砕けにならないレベルまでフロントの
荷重を減らすということだと思いますが
反面、フロントのスタビリティは失いたくないですから
そのへんのバランスということでしょう。
2013年と2014年のロッシのブレーキングを比較すれば
2014年の方が狙ったとおりのブレーキングが出来ていることが
分かると思います。
またドゥカティもVバンクの前シリンダーだけ軽量化する
という技を使って、これに対応してきました。
これが投入されたのがGP14.2ですね。
一番問題ないのはホンダで、これがマルケスの鋭い突っ込むにも
通じていると思います。
突っ込んでも、フロントタイヤがブレイクしないんですよね。
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こうして、皆がフロントタイヤに非常にデリケートに対応している反面
リヤタイヤはBS言うところの耐熱構造にしたため
特にサイドエッジ部分が固くなっているようです。
こっちの難点は、絶対的なグリップは落ちていないのは
ラップタイムが証明していますが、
グリップ感が薄いということだと思います。
これは特にバンクしている時間が長いロレンツォのような
ライダーには不利になったようですね。
ロレンツォ自身も旧タイヤとのラップタイム比較で新タイヤの方が
いいと分かっていても、速く走れなかったのは
タイヤからのインフォメーションの薄さだと思います。
ヤマハ的にはこのインフォメーション量を増やすために
フレーム、スイングアームの剛性を変えてくるかも知れませんね。
この辺はロッシとロレンツォではバンキングしている時間
そのものが違いますから、フレーム、スイングアーム違うものが
投入されるのは時間の問題って気がします。
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こうして挙げていくと、今のワンメイクタイヤに一番マッチした
マシン作りが出来ているのが、RC213Vだっていうのが
分かると思いますが、それは去年の話。
今年、ヤマハがどこまでのマシンを作り上げてくるのか
今から楽しみです。
 
と、同時にここまでBSに合わせて作りこんだマシンを
ミシュランに作り変えるのが容易ではないってのも
分かると思います。
各メーカー、今期を戦いながら、裏で2016年の
ミシュラン向けシャシーの開発をスタート
させないといけませんから、大変ですよね。