ロレンツォとM1とBSと

スペインGPで復活のポールトゥウィンを
飾ったロレンツォ。

なんか周りは彼自身のモチベーションがとか
既にピークを過ぎたとか言っていたようですが、
ロッシにもそんなこと言ってたよな?とか思います。

ロッシもロレンツォも自分自身のベストなフィーリングを
取り戻すのに時間がかかったのと、年々改良されるM1と
BSタイヤとのマッチングに時間がかかったと見ています。

以下、個人的な推測。
2012年の1000㏄化のタイミングでブリヂストンタイヤは
フロントの剛性を落として、耐久性より扱いやすさを
重視したタイヤへとマイナーチェンジを行っています。
これの影響を大きく受けたのが、RC213Vの方で
シーズン中に大幅改善したフレームを投入したほど。
対して、M1+ロレンツォは開幕から絶好調で終始シーズンを
リードして2度目のタイトルを獲得しました。
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元々、フロントのエッジグリップを重視するスタイルの
ロレンツォにとって、より剛性を落としたフロントタイヤなら
マッチングがいいのは、当然ですよね。

このマッチングの良さは2013年も続いていて、
彼はシーズン中のアクシデントによりタイトルこそ
逃しましたけど、最多勝利を手にしています。
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ここまで良かった流れが悪くなったのは
2014年のことですよね。
この年はBSがリヤに耐熱構造のタイヤを入れたことで
エッジグリップが下がって、限界特性が良くなくなっているんですよね。
これに対してロレンツォはずっと不満を言っていたんですけど
それ以外の要因として、M1の開発の方向性が
マルケスへのブレーキング対策として、重量配分を後ろ寄りに
変えているんですよね。
ヤマハの中島さんいうところの「限界までフロントを薄く」
というやつで、フロントタイヤがブレイクする限界を高くするため
前輪荷重を減らしています。
恐らくですけど、リヤタイヤの問題に着目されているけど、
このフロントの荷重を減らされたことは少なからずロレンツォの
ライディングに影響しているんじゃないかな?
フロントの接地感が薄くなれば、彼は思い切って攻められないはず。
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そして、2次的な問題としてそういうマシンに乗っている間に
良かった頃のフィーリングを忘れてしまうこと。
マシン、タイヤ、自身のフィーリング。
これがバラバラになってしまえば、いかに一流ライダーでも
本来の速さを発揮することはできないはず。
そういう意味ではこのオフは彼にとってはフィーリングの
リハビリが必要だったように思います。
ロッシがそうだったようにね。
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でもリハビリ期間は終了。
本来の切れ味が帰ってきましたね。

特筆すべきは、ロッシとロレンツォという
およそ対照的なライディングスタイルの2人が
共に速さを発揮しているYZR-M1の懐の深さですよね。

マルケス以外からっきしのホンダとは大違い。