ラストワークスバトル 2019年を振り返る 全日本編

どうやら来季は多くのメーカーがファクトリー体制を

引き上げるようなので、大金をかけて開発したJSBマシンが

火花を散らすシーズンは今年で一旦終了となりそうです。

 

そんな今シーズンはホンダVSヤマハの争いが激化した

シーズンでしたね。

特にホンダはもう時代遅れと言われるCBRを磨きに磨いて

最新マシンであるヤマハのR1を速さで凌駕するレベルまで

持ち上げてきたのは、驚愕に値する出来事でしたね。

 

前半戦の鈴鹿、菅生ではR1を圧倒する速さを見せて

完全にヤマハとのパワーバランスをひっくり返して見せました。

HRC高橋巧のコンビが実力でヤマハ中須賀を破る歴史的な

シーズンになりそう、そんな予感が漂って前半戦を終えました。

 

しかし、後半戦に入ると風向きが変わります。

それはひとつは後半戦のもてぎ2&4の事前テストで高橋が

マシントラブルによる転倒を喫して足を骨折した事もありますが、

鈴鹿8耐を終えて、実質ホンダが開発を終えたのに対して

ヤマハは逆に全日本の後半戦に向けて開発を進めたことにより

パワーバランスが再び翻ったことが大きいでしょう。

実際、後半戦の舞台となったもてぎ、岡山、APでは前半戦のような

圧倒的な速さをCBRが見せることはなく、ポイント差はあっという間に

削られてしまいましたね。

 

それでも高橋がポイントリードを抱えたまま迎えた最終戦鈴鹿

ここはセッティングデータがあるだけに、CBRは再び前半戦のような

速さを見せてポールを獲得。そのままいけばすんなりタイトル確定と

思われましたが・・・・。

結果はご存知の通りの中須賀選手の逆転劇と相成りました。

あの2コーナーでの接触はレーシングアクシデントの類ですから特筆すべき

ことでもありませんが、その後の追い上げ中のデグナーでの高橋選手の

転倒はタイトル争いのライダーが一番やってはいけないミスでしたね。

あれはホンダの中での評価をかなり下げたんでは無いかな?

来期、世界に出ていく高橋選手の待遇があまり良くないのはその

低評価の現れじゃないでしょうか?

 

一方、絶対王者 中須賀選手は苦しい状況からの逆転劇で自身9度目の

タイトル。

これまでの中での一番苦しいタイトル獲得劇だったかと思いますが

来季はHRC不在なだけに、めぼしいライバルはチームメイト

という形になりそうで、また新たな戦いを展開しそうですね。

 

とはいえ、ファンからしたら複数メーカーのガチガチのバトルが

見たいというのが本音で、当分はそれがおあずけになるかと思うと

残念ではありますね。

開発費に特に制限の無い現行のJSBは黙っていればひたすら

金のかかる乗り物ですから、行き過ぎるとメーカーは手を引きます。

JSBもそういう意味ではも曲がり角に来ているのかな、そう思います。

曲がった先に何が待っているのか不安しかありませんが。