J-GP2の存在 2019年を振返る 全日本編

今年限りで終了となったJ-GP2カテゴリー。

それまでのGP250に替わるカテゴリーとして

世界選手権のMOTO2に直結するカテゴリーとして

世界選手権に遅れること1年の、2011年から登場した

車体の改造範囲が極めて大きいカテゴリーでしたね。

それとスリックタイヤが使えるというのもポイントとしては

大きかったでしょうか。

 

ただMOTO2へと繋がるカテゴリーという意味では

近いようで、実際は遠い異なるカテゴリーである

という事が年を経つにつれて明確になっていったという印象があります。

CBRのフレームをベースにしたハルクプロのHP6は出られないからともかく

純MOTO2レーサーベースであるTSRのTSR2やモリワキのMD600なんかを

使っているユーザー、チームが日本GPに打って出ていっても

まるで勝負にならない。というか勝負以前の障壁が高すぎるという印象でしたね。

TSR2で出た関口選手はワンメイクエンジンが搭載出来なかったり

全日本で使っているエキパイがつかない問題に見舞われたり(同じエンジンのハズなの)

モリワキの高橋選手もワンメイクECUを受け取っていざ搭載したら

エンジンが綺麗に吹け上がらないなど、まともにセッティングして勝負する

以前の段階の問題が多発して、戦うまで行けないというのが明らかになった事実でした。ワンメイクタイヤへの適応力も問われましたね。

この時点でJ-GP2の存在意義の半分位は失われたようにも思います。

 

ただ、ST600と異なりスリックタイヤが使えるというのは全日本ライダー的には

大きなポイントで、そのために、J-GP3からJ-GP2、JSB1000とずっと

スリックタイヤを使いながらキャリアをステップアップしていけるのは利点でしたね。

やはりというか、溝付きタイヤとスリックタイヤは根本的に特性が異なるため

ライダーのライディングスタイルに与える影響が非常に大きいようで、

JSB1000に行くに向けて、スリックの特性の乗り方のままで行けるJ-GP2は

存在意義が大きかったように思います。

実際、野左根選手や渡辺一樹選手、岩戸選手、水野選手、浦本選手などJ-GP2王者が

そのままJSBの有力チームに加入する流れはありましたね。

そういう意味での存在意義は確実にあったと思います。

 

来季からJ-GP2が消滅し、ST1000が生まれるわけですが、J-GP3から

上がってくるライダーがどうキャリアを構築するのか、一旦溝付きの

ST600で走るのか、それともいきなり1000ccに行くのか。

階段の選択が難しくなるように思います。

そういう意味では来季からの新カテゴリーはあまり好ましくない

区分けと言いますか・・・・。

 

J-GP2に関しては発想は良かったものの方向性がイマイチ

明確に出来ないまま、エントラント任せでやらせていたら

どうにもならなくなったってイメージですね。

未来を見通して、カテゴリーそのものの方向付けを運営が

出来ていれば今とは違った形で残っていったんではないか。

そう思わないこともないですね。