新生MOTO2

今シーズンからトライアンフ製765cc3気筒エンジンを

搭載するMOTO2マシン。

同時に去年までのホンダのレース用ECUから

MOTOGP同様マニエッティ・マレリの独自ソフトのECU

なりました。

 

それによってどのように今年のMOTO2マシンが変わったのか

ここでは触れてみたいと思います。

快く質問に答えてくださった宇井選手、長島選手ありがとうございました。

 

まず、基本的な所としてこのマニエッティECUではトラコンや

アンチウィリー、エンジンブレーキコントロールといった機能は

ついていません。スタート時のローンチコントロール

エンジンブリッパー、そしてエンジンマッピングが変更できます。

特に今年のキモになっているのは、このエンジンマッピング

20種類近い中からセレクトして登録しているとのこと。

今年の765cc3気筒エンジンは加速が鋭く、フラットにトルクが出るので

いかに効率よく加速させるかは、このマッピング次第のようですね。

 

実際、スタート時のローンチコントロールもアンチウイリーや

トラコンがついてないわけですから、このマッピングによって

効率の良い加速を実現していて、100km/hまでは出力を抑えるような

マップを使っているそうです。で、そっからシフトアップすると

フルパワーに解放されると。

同様に減速時のエンジンブレーキも電子制御が無いわけですから

マッピングでこの効きを変えているとのこと。

それ以外はアナログのスリッパークラッチの効きだけ。

今年からリヤタイヤの径が大きくなって、トルクが増して

非常にプッシュアンダーが出やすくなっているそうなんで

素早い向き変えが必要、それにはリヤのスライドコントロール

必須ということみたいですね。

ちなみにスタート以外は一切クラッチは使わないそうです。

 

そういやレミーは90度の進入で毎回アフターファイアー出してました

から、彼のエンジンブレーキの好みのマッピングが伺い知れるところです。

 

色々聞いて思ったのは、思った以上にハイテク化されているけど

思った以上にはハイテクされていない、アナログな部分も

かなり残されているなという印象です。

結局その部分がライダーの力量勝負というところなんでしょう。

アレックス・マルケスはその辺が非常に器用だ。

とは長島選手の弁でした。