問われる開発能力

一流ライダーが与えられたマシンの
パフォーマンスを120%引き出せるとしたら
超一流ライダーは、そのマシンの方向性を
導くことが出来るライダーと言えるでしょうか。
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というのも、ヘレステストのコメントを見る限り
マルケスは明らかに困惑気味というか、
進むべき方向に迷いが生じているように思えるからです。
まあ、彼にとっては今シーズン、結果的に失敗した2015年モデルを
シーズン開始前のマレーシアテストの時点でNGを
出せなかったという自分に対して慎重になっているようにも感じます。
自分自身の人間センサーにやや自信を失っているというか。

今、丁度RACERSを読み返しているんですけど、改めて感じるのは
ヴァレンティーノ・ロッシの開発能力の高さですね。
フレームのチョイスにしても、エンジン特性にしても
彼はテクニカルなアプローチは出来ないけど、
これは良い、これは悪いってはっきり言える人間センサーを
持っているんですよね。
クロスプレーンをスイートと表現して、採用させたのも彼だし
NSR500のフレームをより大きく柔らかい方向にしたのも彼。
彼は感覚的に勝てるマシンというものを分かっているんでしょうね。
今年のヤマハ復権は彼なしではあり得なかったと思ってますが
それは別途触れたいと思います。
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その点、マルケスはなまじ乗りこなす能力が高いだけに
その辺がまだ、ぶれているというか定まっていないように感じます。
多分、ペドロサの方が自身の乗りこなせる範囲が狭いだけに
マシンの方向性にはシビアですが、彼の場合はシビアすぎる面も
あるかと。
そういう意味では両者の仕様違いのフレームでタイムを揃えて走れる
ストーナーの存在は大きかったと思いますね。
ですから、ストーナーが抜けた今、開発は青山さんと高橋巧
そして、マルケスとペドロサなわけですが、このメンツで上手く
行くかどうか、ちょっと心配。
鈴鹿で聞いた秋吉さんの復帰話が本当なら心強いと思いますが。