改革前夜 2019年を振り返る MOTOGP編

リザルトだけ見れば、近年でもむしろ悪い方に

入る部類だったアプリリアMOTOGPチーム。

 

しかし、2019年は改革に向けての準備の年だった

としていいでしょう。

2019年早々、アプリリアフェラーリのF1チームから

マッシモ・リヴォーラを招聘し、アプリリア・レーシングの

トップに据えました。

これはアプリリアMOTOGPチームのボスであるロマーノ・アルペアーノの

上のポジションで、実質、ロマーノはクビにはならないもののその職を

追われたと見ていいでしょう。

そしてリヴォーラはマシンの改良と同時に組織の改革にも踏み切るわけですが・・・。

 

結果的にシーズン開幕直前にエンジンの設計者が離脱

しかも2019年マシンは、失敗作だった2018型フレームではなく、

その前の年の2017年型フレームの改良型と、まあ、日進月歩が常のMOTOGPでは

話にならないほど、旧型のマシンで戦わざるを得なかったわけで

結果を期待しろというのが無理な状態でした。

 

過去にもジャン・トッドフェラーリに来たとき、中本さんがHRCに復帰した時も

そうですけど、大きな改革が起こる時には従来のマシンを改良しながら

裏では、ブランニューマシンの開発を並行で進めるのはよくある手法。

それは現行モデルで開発を進めて行ったとして、ライバルを凌駕できるかどうかの

見極め、決断が出来る人間がトップにいてこその判断でしょうね。

そしてリヴォーラにはそれがある。

 

シーズンの3分の2も過ぎた頃、既に彼はブランニューマシンの開発への

着手を口にしており、現行モデルの開発はストップさせました。

この辺はリソースの少ないアプリリアですから無理もないところです。

 

ただ、これまで結果も出せず戦ってきた従来のアプリリアからは

大きな変化、進歩だと思います。

更には後半に入って、組織体制も変更、よりF1の組織、フェラーリ

それを導入し、着実にアプリリア・レーシングの中味は変化を

遂げています。

 

2020年、オールブランニューマシンを投入するアプリリア

新時代への第一歩を踏み出すことになりそうです。

ただ、リヴォーラは現実的な男で、このマシンが本来のポテンシャルを

発揮できるようになるのは、2021年以降だろうと述べています。

今年はそのための1年になると。

それでもポテンシャルの片鱗はどこかでチラッと見られるかも?

というのがかすかな望みになりそうです。