狭角エンジン
アプリリア・レーシングのボス
マッシモ・リボーラによると、現在のアプリリアの
MOTOGPマシン RS-GPは狭角エンジンを搭載しているそうですね。
来年登場するオールブランニューマシンはオーソドックスな
90度バンクのV型エンジンを採用する予定だそうです。
レギュレーションでは狭角エンジンは不利なんだそうです。
というのも、MOTOGPは800ccから1000ccに規定が変わった際に
最大ボア径が81mmまでと制限されたからです。
実は800cc時代のホンダのRC212Vも狭角エンジンを搭載していると
言われていましたが、1000ccになってRC213Vからは90度バンクを
採用しています。
それまでの800cc時代は最大ボア径の制限がありませんからビッグボア
ショートストロークエンジンを作ることが出来て、それによりエンジン全体の
全高を低く造ることが出来ました。
エンジンはそれ単体だけではなく、搭載した際のエアボックスの容量、形状なども
パワーに関係するため、エンジンの高さは非常に重要。
最大ボア系が81mmに制限されると必然的にストローク量も決まりますから
エンジンの高さも決まってきます。
そうなると狭角エンジンは90度バンクエンジンより背が高くなって
結果的にエアボックスの容量が小さくなるし、内部の流入経路もスムーズでは
無くなり、結果的にパワーが出せない原因となります。
アプリリアと言えば信頼性もさることながらパワーでも負けていますが
その辺の要因はここにあったのかも知れませんね。
元々、RS-GPのエンジンはWSBで走るRSV4の狭角エンジンをベースに
段階的にMOTOGP専用パーツへとアップデイトされて今のエンジンに
なってますが、基本設計の部分は引きずっていたのかも知れません。
とにかく来季はようやくライバルと同じ基本設計のエンジンを
手に入れるわけですから、ようやくスタート地点に並んだということか・・・。
余談ですが、何故800時代に狭角エンジンが流行ったかというと
当時のワンメイクタイヤだったブリヂストンのフロントが要求する
前輪荷重が非常に大きいものだったため、狭角エンジンにして
エンジンを思いっきり前進させて搭載していたからです。