マッチングの大事さ

引退するホルヘ・ロレンツォの今シーズンは

優勝一回分にしか値しないわずか25ポイントで終えることとなりました。

 

過去に何度も優勝を飾り、世界王者にも輝いた

彼のラストシーズンとしては酷く寂しいリザルトになりましたよね。

 

ただ、私は彼がホンダに移籍すると聞いた時点で

ライディングスタイルとマシンキャラクターのミスマッチは

明確で相当苦労するだろうとは予想はしていましたが、

その予想を遥かに上回るものでしたね。

 

同じV4エンジンのドゥカティで勝つまでの走りをみせた彼が

ホンダでは何故あそこまで低迷したのか。

やはりRC213VとGP18の重量配分の違い、加えて今年モデルの

フレームの硬さから来るインフォメーションの希薄さの

ダブルパンチがホルヘから羽を奪ってしまったか。

 

GP18というか、ドゥカティは現在のMOTOGPマシンでも

最も後輪荷重が多いマシン、つまり重量配分が後ろよりに

なっていて、それゆえに高いトラクション性能を生んでいましたが

もうひとうは、フロントタイヤに負担がかからないという面も

併せ持っていて、だからホルヘはフロントにソフトタイヤを履けたし

そのタイヤを有効に使って走れていたんですよね。

 

RC213Vの場合、フロント側の荷重が大きいために

ほとんどフロントのステアがライダーが自由に出来ないほど頑固で

無理にステアを切ると切れ込んで転倒してしまう。

また今年のフレームはステアリングヘッドが強固なために

ライダーへのタイヤのインフォメーションが希薄になって

それも転倒の要因に繋がっていく。

要はライダーがフロントタイヤに自信を持てないんですよね。

フロントタイヤにソフトを履いて抜群の旋回性を引き出すのが

特徴のホルヘからすればまさしく自分の武器を封じられたも同然。

これでは・・・・・。

 

どのライダー、マシンにも多かれ少なかれマッチングには

問題を抱えているとは思いますが、今年のホルヘ+ホンダは

余りにも取り合わせが悪すぎた。

そう思います。