混沌のストーブリーグ

スズキのGP撤退の噂もあってか、今年は例年になく

ストーブリーグの動向がゆっくりしているような感じですね。

現状、来期の契約が決まっているライダーは少なく

ホンダのマルク、ヤマハのフランキー、ドゥカティのペッコ

この辺くらいでしょうか?

それ以外のライダーは基本的に来期はフリーの状況。

中でも注目はヤマハのファビオが契約更新をするかどうか?

でしょうか?

とはいえ、ファビオにも選択肢はそこまで多くなくって、現実的には

ホンダかドゥカティ、つまりマルクかペッコの隣に座るしか

無いのが現状で、そう考えると、ヤマハ残留が最も濃厚と言えるでしょう。

ライディングスタイルとマシンとのマッチングの観点から見ても。

 

また、スズキが撤退した場合、ミルとリンスという2人の有力ライダーが

市場に放たれるわけで、特にミルは関係者の間でも非常に評価が

高いライダーですから、欲しがるチームは多いと思います。

特にペドロサ引退以降、マルクのチームメイト選びに苦労しているレプソル・ホンダは

ミルが欲しいところでしょう。

これは速い、強いライダーであるだけでなく、一定の評価基準を持った

ライダーが居てくれれば、開発も進むという側面も含めての話になりますが。

 

リンスもミルほどでは無いものの、評価の高いライダーですから

ヤマハサテライトのRNFレーシングや、アプリリアあたりが狙っていると聞いています。

 

今年からヤマハのサテライトになったRNFレーシングはここに来て、ヤマハ

リン・ジャービスが期待外れだと語っており、チームとヤマハの契約が1年という

こともあって、両者の関係は微妙な状況になっているようですね。

とはいえ、ヤマハがワークスの2台のみなるとグリッド全体の数が減りますから

DORNA的にはそれは許す気は無いと思います。

もしも、RNFとヤマハが契約を更新しなかった場合、ヤマハはVR46に接近するのではないか?

と言われていますね。

まあ、RNFの不振の原因はチームではなくライダーにも要因がありそうですから

その場合はライダー2人がゴッソリ入れ替えられそうです。

リンスがその空いたシートに座る可能性はありますよね。

直4から直4への乗り換えですし。

 

多くのライダーを抱えるドゥカティ陣営はライダーのシャッフルに頭を

悩まされているみたいですが、今のところの報道の感触だと、ミラーのワークス放出は

ほぼ決定的で、その後釜にはマルティンが濃厚なようです。

マルティンとワークスの椅子を競うエネアは結果こそ、残しているものの相変わらず

評価はマルティンの方が高いようです。

まあ、一発の速さ、勢いのマルティンに、レースで結果をきっちり残すエネア。

どっちが強く印象に残るかと言えばマルティンではありますね・・・・。

実際、エネアは来期、最新型のマシン供給を確約されているようですが、ワークスへの

移籍は提示されていないようです。

 

ドゥカティワークスを放出されそうなミラーはプラマックで走っても良いと

いいつつも、LCRホンダと交渉しているとも伝わってきていますね。

ホンダとしてはブランニューになったRC213Vの開発熟成をするにおいて、ベテランライダーの

存在は不可欠ですから、経験値の浅いアレックス・マルケスよりもミラーの方が

という話はわかる部分がありますね。かつてのクラッチロウのポジション。

 

アプリリアはエース格のアレイシが未だに契約延長の話が出ていないと

不満を述べていますが、ここに来て残留の可能性が高まっているようです。

というのもビニャーレスが一向に成績が上がってこないからですね。

今の状態で、アレイシが抜けてビニャーレスと誰かになったとして今年並みの

成績を残すのは厳しいように思います。

まあ、リンスがここに収まる可能性は十分ありますが・・・。

また、レオパードがアプリリアサテライトとしてMOTOGPに参戦してくる噂もあります。

この辺は資金次第か。

MOTO2で走るフェルミン・アルデゲルが2メーカーから接触があったと

語っていますが、その片方はアプリリアじゃないでしょうか?

 

KTM陣営は配下のMOTO2、MOTO3に多くの育成ライダーを抱えており、

現在のワークス、テック3の4つのシートでは完全にキャパオーバーな状態となっていて

KTMのステファン・ピエリエは第3のワークスチーム誕生の可能性もほのめかしています。

その場合、白羽の矢が立つのはかつては最高峰クラスに参戦していた

アスパーチームでブランドはGASGASになると。

アコスタ、フェルナンデス、佐々木、アルティガス、ゲバラ、ガルシア。

KTMの配下のライダーでこのシートを掴むライダーは誰でしょうか?

まあ、一兆足でのMOTOGP参戦は無くて、MOTO3で結果を出してMOTO2

MOTO2で結果を出したらというステップを踏むことになるとは思います。

 

まだまだ不確定要素が多いストーブリーグ

まずはワークスのシートが埋まるところからでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村の掟

事実なら本当にびっくりですが、月曜日のへレスでの居残りテストで

パドックを駆け巡った、スズキの今季限りでのGPからの撤退の噂。

 

まあ、噂というには余りにも話が具体的かつ広まりすぎて

もはや事実じゃないとは思えないレベルになってしまっていますが・・・。

 

この中で、気になったのが、スズキがMOTOGPを統括するFIMや

運営するDORNAに話を通さず、一方的に撤退を決めたようだ

という部分です。

 

よく私がF1でのホンダの撤退劇を引き合いに出すように、

F1やMOTOGPは多くのメーカーチームが集って、激しい争いが行われる反面、

興行という側面も抱えており、言ってみればメーカー達は互いがライバルでありながら

運命共同体なわけで、皆が皆、MOTOGP村の住民なわけです。

ですから、自分勝手にその村の掟を破って、村を出るのは村の運営に

支障をきたしますし、村に残された村民にも大きな影響が残ります。

 

ですから、今回のスズキの行動に、村の長であるDORNAが「勝手は許さん」

と声明を出したわけですね。

おまけにこの村には、一旦入ったら、5年は居ないといけないという

約束があって、スズキは去年、それにサインをしたばかりです。

それを一方的に反故にするのはあり得ないと。

 

逆に言えば、今回の噂が事実ならば、スズキの決定がいかに性急に事が

進められたのか、というのがわかる話でもあります。

つまり、事前根回し一切なしというわけですね。

 

まあ、実際、スズキは今年になってから長年不在になっていたマネージャーのポストに

ヴィオ・スッポを迎え入れたばかりでしたから

少なくてもシーズン開幕当初は撤退であるとかそういう気は無かったというのがわかります。

やはりコロナよりもロシアによるウクライナ侵攻の

影響が会社に大きなダメージを与えていて、こうした判断を下したのかなと

推察されるところです。

 

とはいえ、今回の一連の行動が事実とするならば、F1のホンダに続いて

ヨーロッパの運営サイドからすれば、日本企業のイメージダウンは

免れない気がしますね。

勝手に去っていく、残された者のことも考えない。

そして、それは大きな視点で見た時に決して日本企業全体に対してプラスには働かないでしょう。

 

明日にはGWが開けますから、スズキ本社から何らかのリリースが

出される可能性は高いですが果たして・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宿題はきっちり済ませてきた

WSBが遂に開幕。

アラゴンでレース1が行われました。

 

レースは去年最終戦まで激しくタイトルを争った

カワサキのレイとヤマハのトプラックにドゥカティ

復帰したバウティスタを加えた予想された通りの三つ巴の

展開となりました。

 

昨日のレースで印象的だったのは強いレイが

帰ってきたということでしたね。

混戦の中でもきっちり、ライバルと自分とタイヤを

コントロール下において、終始レースを掌握している印象が

強かったです。

 

昨シーズン、レイがタイトルを逃す原因になったのは

純粋な速さでライバルに劣っていたため、フロントにソフトより

柔らかい、レースでは実績の無いエクストラソフトを履いた結果、

フロントの消耗に苦しみ転倒、あるいはブレーキングで負けること多数でした。

 

それを踏まえて、今年のカワサキ+レイは、

彼らがずっと結果を残してきたオーソドックスなソフトタイヤで

更に速さに磨きをかける方法でマシンを熟成させてきたようですね。

これに新しいショーワのサスペンションが大きく尽力しているのは

いうまでもないこと。

加えて、昨年の課題だった中低速のドライブのかかりというか

ラクションの問題を電子制御で上手く対処してきているようです。

 

結果、コーナーリングの自由度が上がり、従来のソフトで

エクストラソフト勢に伍する速さを発揮することが出来るようになったようです。

かつタイヤの消耗も手の内に入れることが出来た。

 

カワサキ+レイは去年、突きつけられた宿題をきっちり

やってきた。

開幕戦はその答え合わせで、見事に正解を出して見せたという感じですね。

タイトル奪還への力強い一歩。

そう感じました。

 

 

 

 

 

4年目のV4パニガーレ

アルバイット・ドゥカティが今期のカラーリングを発表し

今年モデルのV4パニガーレを発表しました。

 

ドゥカティがそれまでの伝統のツインを捨てて、V4エンジンの

パニガーレを登場させたのが2019年。

開幕からバウティスタが圧倒的な速さを発揮して怒涛の12連勝を飾りながらも

(SPレースも含む)タイトルを獲得することは出来ませんでした。

以降、エースをレディングに代えて毎年のようにタイトル争いに

絡むものの、タイトルを獲得するには至っていません。

 

あくまでも私見ですが、V4パニガーレは高いトップスピードと旋回性を

誇る反面、直4に比べてV4というエンジンレイアウトのためか、

ブレーキング勝負になると負けることが多いようですね。

ですから、独走が勝ちパターンで、混戦ドッグファイトになると負けてしまう。

 

また、去年くらいから多く使われるようになってきた、リヤのソフトタイヤの

デベロップメントタイヤの使い方にも難があるように見えます。

というのもこのカテゴリーでトップクラスのパワーを誇るがために

タイヤの消耗が早く、レースでは終盤までペースが保てないケースが

見られますね。

 

今回発表された2022年モデルのワークスマシンを見ると、その辺に

対する対策がなされているように見えます。

ひとつはタンクの上面がかなり低くなっていること。

これはライダーが伏せた状態で前面投影面積を小さくすることで、

トップスピードを伸ばすアドバンテージを得ることが出来る。

今年は去年までのレディングに代えて小柄なバウティスタがエースですから

トップスピードは更に伸びることになるでしょう。

また、タンク上面が低くなったということは見えている部分の燃料タンクが

小さくなって、その分、シート下にある燃料タンクの量が増えているということ。

実際、今年モデルはそこにゼッケンが貼られるくらい大きく張り出しているのが

わかります。

これはマシン自体の重量配分が後ろ寄りになって、リヤにトラクションが

かかりやすくなる方向性ですね。

これはブレーキングで突っ込めるし、リヤタイヤのスピニングを抑えて、

タイヤの消耗を抑える意味もあると思います。

 

去年型までタンクカバーに付いていた穴が無くなったところを見ると、

恐らくここに置かれていたECUもどこかに移設されているんじゃないかな?

あれは結構大きく、重たいだけに、ヤマハのようにテールカウルなどに

仕込むと結構おもりの役割をして、トラクションを増す方向。

 

こうした微に入り細に入りの改良が果たして2011年以来遠ざかっている

スーパーバイクのタイトルを引き寄せることが出来るかどうか。

明らかにドゥカティは去年以上に今年のタイトルを狙いに来ていると思います。

(ちなみに去年のレディングはマシンが全然変わっていないと嘆いていました)

 

開幕戦はアラゴン。4月10日になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え合わせ色々

開幕戦カタールの予選が終了しました。

 

この段階でこの冬に各メーカーが取り組んできた

それぞれの宿題に対する回答が見えてきましたね。

 

まず、一番点数が高いのはスズキでしょう。

これまでのウィークポイントであったトップスピードを

見事に改善、しかも中低速のパワーデリバリーを

犠牲にすることなくですから、ハンドリングの柔軟性も

保ったまま底上げに成功。さすが去年からずっと取り組んできた

だけにいいモノが出来上がってきましたね。

 

次はホンダかな?

このメーカーは変える時は大きく変えないと

変化がわからないが一種の社是みたいなもんですが、

大きく変えた場合、なかなかストライクゾーンに入れにくい

ものだけど、きっちりとまとめ上げてきたのは大きいと思います。

去年までのピーキーなキャラクターが薄まって、

実にフレンドリーなマシンになった感じですね。

反面大きく変えすぎて、ライダーがまだ乗り方を試行錯誤中で

特にサテライトのLCRの2人は苦戦中ですね。

4人全員が結果を残すのは難しく、やはりマルクの乗りこなし力の

高さが結果を出しそうです。

 

続いてはドゥカティですか・・・。

今年のタイトル大本命と思われましたが、ここに来て

歯車が微妙に狂いだしたように見えますね。

もちろん、結果を出せば全く問題は無いと思いますが

今の状況は少なからず現場が困惑しているように思います。

ですから早い段階での結果が必要ですね。

旧型のエネアが活躍するようだとヤバイです。

ペッコが活躍するのが一番理想的。

個人的にはワークスが一個前のバージョンのエンジンを投入したのは

ファインプレイだったと思います。

 

アプリリアはやはり会社の規模の関係か一歩一歩の

歩幅がそれほど大きくないので、他メーカーも開発が

解禁されると、去年と立ち位置は変わってないですね。

むしろ、よくこの位置で踏みとどまったかなと。

シーズン中の開発はあまり期待できそうにない。

ビニャーレスが思った以上に苦戦模様なのが気がかり。

 

ヤマハはーーーーこれも社是みたいなもんで、毎年ちょびっとずつしか

進歩しないんですけど、今年は他メーカーのステップアップが

大きくって相対的に下がってしまったという感じ。

こればっかりは相手の居ることだから蓋を開けてみないと

わからなかった部分ではありますね。

今年もライダー頼みのシーズンになりそうで

ストレス半端ない感じはしますね。

ファビオがキレキレにならないといいが・・・。

 

読めないのはKTM

確実に去年よりも向上しているんだけど、これは

マシンが良くなったというより、ピンポイントなタイヤが

今年は無くなって広い範囲で捉えるタイヤになったおかげで

マシンのポテンシャルが発揮しやすくなったという感じは

するんですよね。

ニューマシン効果があまり感じられない。

ホンダがあそこまでマシンを改良してくると、

むしろKTMのマシンが古臭く見えてくる。

 

こんなとこかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトルへのプレッシャー

開幕戦ギリギリのこのタイミングでドゥカティワークスは

今季2021年型エンジンを使用することを発表しました。

 

いわく、2022年型エンジンはアグレッシブすぎるというコメントですね。

 

去年のレースを見ても、とにかくタイヤの温度上昇に敏感なミシュランタイヤですから

タイヤのスライドが始まるレース中盤以降はこのスライド量を

コントロール出来るエンジン特性じゃないと、タイヤのスライドがどんどん大きくなって

タイヤがオーバーヒートして、終わってしまう可能性があります。

 

その辺の中盤のパワーデリバリーに問題がある。というのが

「アグレッシブすぎる」というコメントに出ているんだと思います。

 

実はマンダリカのテストが終わった時もペッコが、まだニューエンジンの

ポテンシャルが引き出せていないとコメントしていたんですよね。

ずっとロングランをやっていたのも、この新旧エンジンの比較テストだったそうです。

 

しかし、この直前のエンジン変更を見ても、今年のタイトル本命と言われている

ドゥカティワークスには相当プレッシャーがかかっているのは想像に難くないところ。

攻めより守りって感じなんですよね。

 

あくまでも私見ですけど、イタリアのチームはいけいけどんどんで前向き

アグレッシブモードの時はホントに強いけど、こういう最初から期待過大の

状態だとプレッシャーに押しつぶされやすいイメージがあります。

F1のフェラーリとかもモロイ。

 

だからこそシーズンの序盤、滑り出しが大事だと思いますね。

ここで躓くようだと、浮足立ってしまう可能性が大。

ただ、ペッコ自身はプレッシャーに強いライダーだけに、

チームが浮足立ってもライダーは平常心なのがまだ救いか。

 

果たして、2022年のドゥカティはどうなりますか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

将の力量

MOTOGPは2022年の全テストを終えて、開幕戦カタールまであと

10日に迫りました。

事前テストを見る限り、今年もアプリリアは好調を維持しているようで

去年の表彰台一回を上回るリザルトも期待できそうな状態です。

 

それにしても、一時期は万年テールエンダーで、ここに行ったライダーが

GPキャリアを終えることになるGPライダーの姨捨山と化していた

アプリリアの見事な復活劇は、やはり組織を率いる人間の才能によって

組織はどうとでも変わるということを強く印象付けるものですね。

 

アプリリアが全く仕事が出来ないロマーノ・アルぺジアーノの上の

ポジションに元フェラーリのF1チームに居たマッシモ・リボーラを

抜擢したのは3年前の出来事だったでしょうか。

 

彼は2019年の夏ごろに合流したと思いますが、半シーズンを見て、まず判断したのは

MOTOGP参戦以来使い続けていた狭角エンジンを捨てて、90度バンクのエンジンを

新たに作ることを決定したことでしたね。

狭角エンジンには将来性が無いと判断したんでしょう。

狭角エンジンはどうしても振動が出ますのでバランサーシャフトを

入れなければならないため、エンジンのサイズは大きくなるし、パワーアップに

問題が出てしまう。

他のV4メーカーは全部90度バンクでしたからね。

それからMOTOGPは81㎜というボア規定があるため、ビッグボアショートストローク

エンジンが作れません。

狭角エンジンにすると、90度エンジンよりどうしてもエンジン高が高くなってしまうんですよね。

これは搭載位置に制限がかなり出てしまう。

加えて、エンジンの上に載るエアボックスの容量も狭くなってパワーアップに支障が出えてしまう。

などなど、ネガポイントが多くポジポイントが少ない。

これは慧眼でした。

 

2020年開幕前、ニューエンジンの完成は遅れに遅れてセパンテストに間に合うか

というタイミングでしたが、このエンジンの投入が無ければその後の

躍進はあり得なかったでしょう。

それでもこのシーズンはパワーが足りないとか色々言われてましたね。

お金のないアプリリアは一度にあれもこれも出来ませんから、

この年は、まずエンジンの信頼性、リライアビリティの確保に注力したというところでしょうか。

 

翌年2021年、アプリリアが打ってきたのは、エンジンのパワーアップ・・・ではなく

車体の軽量化でした。

当時のアプリリアMOTOGPの最低重量を上回っていたんですよね。

もう何年も他メーカーのマシンは最低重量よりも軽くマシンを仕上げて

足りない分を車体各所にバラストを積んで調整するのが常道で、

これはサーキットごとの特性に合わせて車体の重量配分を微調整することによって

細かい合わせこみをするのが戦略のひとつに取り入れられているからです。

アプリリアは今までそれが出来ていなかったんですよね。

それをやってきた。

その結果が、MOTOGP初の表彰台獲得に繋がりました。

 

そして今年。

今年はどうやら車体のコンパクト化、前面投影面積の縮小を図ってきているようです。

実はエンジンのパワーアップというのは地味で時間とお金がかかる作業ですが、

それよりも車体の前面投影面積を小さくした方が早く効果的に安く

トップスピードを伸ばせる手段です。

それがテストでのトップスピードの伸びに繋がっている感じですかね。

 

こうやって見ていくと、リボーラ加入以降のアプリリア

実に効果的な打ち手を、打ってきているというのがわかると思います。

アプリリアの技術者が突然優秀になったというよりも、元々優秀なんだけど、

MOTOGPを戦っていく上で、どの打ち手が有用なのか技術者レベルでは判断できなかった。

それをきちんと指示できる上司が来て、次々と指示を出した結果が今に結びついているということがわかりますね。

 

ホントに将の力量って大事だと思わせる部分ですね。

 

しかし、この段階になってもアルぺジアーノが組織内でそれなりのポジションに

いるっていうのは、よほど彼は本社にコネがあるんだろうな。

普通は責任取らされて左遷コースだわい。

(現在、アルぺジアーノの肩書はアプリリアMOTOGPプロジェクトの

ディレクター、

マッシモ・リボーラはアプリリア・レーシングのCEO)