村の掟

事実なら本当にびっくりですが、月曜日のへレスでの居残りテストで

パドックを駆け巡った、スズキの今季限りでのGPからの撤退の噂。

 

まあ、噂というには余りにも話が具体的かつ広まりすぎて

もはや事実じゃないとは思えないレベルになってしまっていますが・・・。

 

この中で、気になったのが、スズキがMOTOGPを統括するFIMや

運営するDORNAに話を通さず、一方的に撤退を決めたようだ

という部分です。

 

よく私がF1でのホンダの撤退劇を引き合いに出すように、

F1やMOTOGPは多くのメーカーチームが集って、激しい争いが行われる反面、

興行という側面も抱えており、言ってみればメーカー達は互いがライバルでありながら

運命共同体なわけで、皆が皆、MOTOGP村の住民なわけです。

ですから、自分勝手にその村の掟を破って、村を出るのは村の運営に

支障をきたしますし、村に残された村民にも大きな影響が残ります。

 

ですから、今回のスズキの行動に、村の長であるDORNAが「勝手は許さん」

と声明を出したわけですね。

おまけにこの村には、一旦入ったら、5年は居ないといけないという

約束があって、スズキは去年、それにサインをしたばかりです。

それを一方的に反故にするのはあり得ないと。

 

逆に言えば、今回の噂が事実ならば、スズキの決定がいかに性急に事が

進められたのか、というのがわかる話でもあります。

つまり、事前根回し一切なしというわけですね。

 

まあ、実際、スズキは今年になってから長年不在になっていたマネージャーのポストに

ヴィオ・スッポを迎え入れたばかりでしたから

少なくてもシーズン開幕当初は撤退であるとかそういう気は無かったというのがわかります。

やはりコロナよりもロシアによるウクライナ侵攻の

影響が会社に大きなダメージを与えていて、こうした判断を下したのかなと

推察されるところです。

 

とはいえ、今回の一連の行動が事実とするならば、F1のホンダに続いて

ヨーロッパの運営サイドからすれば、日本企業のイメージダウンは

免れない気がしますね。

勝手に去っていく、残された者のことも考えない。

そして、それは大きな視点で見た時に決して日本企業全体に対してプラスには働かないでしょう。

 

明日にはGWが開けますから、スズキ本社から何らかのリリースが

出される可能性は高いですが果たして・・・・。