4年目のV4パニガーレ

アルバイット・ドゥカティが今期のカラーリングを発表し

今年モデルのV4パニガーレを発表しました。

 

ドゥカティがそれまでの伝統のツインを捨てて、V4エンジンの

パニガーレを登場させたのが2019年。

開幕からバウティスタが圧倒的な速さを発揮して怒涛の12連勝を飾りながらも

(SPレースも含む)タイトルを獲得することは出来ませんでした。

以降、エースをレディングに代えて毎年のようにタイトル争いに

絡むものの、タイトルを獲得するには至っていません。

 

あくまでも私見ですが、V4パニガーレは高いトップスピードと旋回性を

誇る反面、直4に比べてV4というエンジンレイアウトのためか、

ブレーキング勝負になると負けることが多いようですね。

ですから、独走が勝ちパターンで、混戦ドッグファイトになると負けてしまう。

 

また、去年くらいから多く使われるようになってきた、リヤのソフトタイヤの

デベロップメントタイヤの使い方にも難があるように見えます。

というのもこのカテゴリーでトップクラスのパワーを誇るがために

タイヤの消耗が早く、レースでは終盤までペースが保てないケースが

見られますね。

 

今回発表された2022年モデルのワークスマシンを見ると、その辺に

対する対策がなされているように見えます。

ひとつはタンクの上面がかなり低くなっていること。

これはライダーが伏せた状態で前面投影面積を小さくすることで、

トップスピードを伸ばすアドバンテージを得ることが出来る。

今年は去年までのレディングに代えて小柄なバウティスタがエースですから

トップスピードは更に伸びることになるでしょう。

また、タンク上面が低くなったということは見えている部分の燃料タンクが

小さくなって、その分、シート下にある燃料タンクの量が増えているということ。

実際、今年モデルはそこにゼッケンが貼られるくらい大きく張り出しているのが

わかります。

これはマシン自体の重量配分が後ろ寄りになって、リヤにトラクションが

かかりやすくなる方向性ですね。

これはブレーキングで突っ込めるし、リヤタイヤのスピニングを抑えて、

タイヤの消耗を抑える意味もあると思います。

 

去年型までタンクカバーに付いていた穴が無くなったところを見ると、

恐らくここに置かれていたECUもどこかに移設されているんじゃないかな?

あれは結構大きく、重たいだけに、ヤマハのようにテールカウルなどに

仕込むと結構おもりの役割をして、トラクションを増す方向。

 

こうした微に入り細に入りの改良が果たして2011年以来遠ざかっている

スーパーバイクのタイトルを引き寄せることが出来るかどうか。

明らかにドゥカティは去年以上に今年のタイトルを狙いに来ていると思います。

(ちなみに去年のレディングはマシンが全然変わっていないと嘆いていました)

 

開幕戦はアラゴン。4月10日になります。