技術者の葛藤

Twitterの方には書きましたが
新型のCBRのお披露目は東京モーターショー
濃厚とのこと。

現行モデルと同様、3つのグレードに
分けて発売され、ベースグレードでも210馬力
トップグレードのSP2になると220馬力オーバーを
叩き出すと書かれています。

実際、あちらこちらから聞こえている情報によると
新型CBRはかなり馬力が出ているようですね。
現行モデルで最もパワーが出ているBMWのS1000RR
あるいはカワサキのZX-10RRあたりはデビューの時点で
凌駕しないとダメでしょうから、その辺をベンチマークとして
開発していることでしょう。

しかし、2015年から改造範囲が大幅に制限される
エヴォレギュレーションを採用された時から
ある程度こうなることは分かっていたものの
勝てるマシンにするにはベースマシンの段階から
かなりの高スペックを要求されることになった結果
もはや、一般の素人が公道で乗るバイクが210馬力とか
恐ろしいレベルになっていますね。

スペックでいえば、ポルシェ911あたりに匹敵するものが
ものの300万程度で購入できてしまう。

以前、どこかのメーカーの人が言ってましたけど
馬力を出すバイクを作ることは容易だけど、不特定多数の
ユーザーが乗る市販バイク(市販レーサーじゃなく)で
余りにパワーを出すと、電子制御で抑えて込んでいるとはいえ
そこに込められているエネルギーは相当なもので
何かの拍子にそれが暴走した時のリスクは極めて高い。
という話。

正直、その辺に関しては海外メーカーの方が割り切っている
というが、レースで勝つ事が至上みたいなマシン作りの
ポリシーがガンガン伝わってくるのに対して
日本のメーカーはそうは言っても・・・というちょっとだけ
理性が働いているというか、葛藤みたいなものも
感じられなくはないところ。
それは技術者の良心だと思っている。

後はライダーに求められるのは、パワーの誘惑に負けない
自制心かも知れないね・・・。