JSBの電子制御
一個前のエントリーでもJSBのマシン格差に
ついて触れさせてもらいましたが、
どのくらい、道具として違うんでしょう?
これはハッキリと確認できたわけじゃないけど、
メーカー独自開発のソフトが搭載されている模様。
ヨシムラ・スズキは今年、ピットに入って、メカさんに
教えてもらったけど、独自開発ソフトではなく
現在、MOTOGPで使っている共通ソフトと同じレベルのものが
搭載されている。
独自ソフトと共通ソフトの大きな違いは、自分で考えて
調整できるか、できないかというポイント。
つまり、独自開発ソフトの場合はコーナーごとのエンジンブレーキの
かかり方が可変になるし、タイヤが減った分、燃料が減った分
などなど刻々と変化するマシンコンディションに対して
ソフトの制御もどんどん数値が変わっていく。
MOTOGPは最後のシーズンには20リッターまで燃料タンクが
減らされていたから、細かい制御を入れることで無駄な燃料を減らす
という制御がきめ細かい制御という形に表れているんだけど、
この考え方が、8耐を戦う上でも同様に使えるという考え方なんだと思う。
燃費をセーブできる分、パワーに回せますからね。
対して、ヨシムラというかスズキが使っている制御は
今のMOTOGP同様、制御が基本的に固定で、
ライダーが任意で、3段階の制御を切り替えてレースを戦うタイプ。
これはあらかじめ、タイヤ、燃料が消耗したレース中盤と終盤の
状況に合わせた制御を登録しておいて、手元で切り替えるものですね。
また独自開発のソフトはエンジンブレーキをきめ細かく制御しますから
シケインなんかの5つくらいギヤを落としながらのハードブレーキングでも
ガクガクって感じじゃなくて、ストンストンとギヤが落ちるから
リヤタイヤにかかるバックトルクが均一で、タイヤにかかる面圧が
均一だから、速く走れるだけじゃなく、タイヤの消耗も抑えられる。
スペシャルなタイヤを使えるわけだけど、それにはこうした制御+
高価なサスペンションあって使えるっていう側面も大きいね。
もちろん、ライダーにも繊細なコントロールが求められるわけだけど。
下位陣はJSBの市販レーサー。
その位の差はあると思う。
カワサキのチーム・グリーンの車両に関しては触れてないけど
WSBで走るマシンの先行開発の役目だから制御に同じものが
入っていると仮定すれば、GPレベルのものかもね。