後ろへ後ろへ  その1


スズキの開発ライダーである青木さんが
今年のGPマシンの傾向について触れてますね。

それによると、今年の上位メーカーのリヤマス寄り
マシンはドゥカティ、スズキ、ヤマハ、ホンダの順だそう。

これについて、長々と補足をするとすれば、この傾向は2012年の
1000cc化の時から始まった形の進化の現在進行形と言えるかもしれません。

というのも、そもそも2012年に1000cc化になった際に
エンジンのボアピッチが最大81mmとすると規定されたために
エンジンのパワーを高回転で稼ぐことが出来なくなって
マシン作りの方向性が、いかに突っ込んで、いかに脱出するか
電子制御も合わせてのストップ&ゴーの方向に舵が切られた
とは、中本さんがかつてのインタビューで答えています。
イメージ 1
そして、この開発にいち早く成功したのが、ホンダでそれが
2014年のマルケスの圧勝に繋がっています。
これに関してはヤマハの辻さんが8耐トークショー
語っていました。
うちはブレーキングで負けていたと。

だから、ヤマハは2015年に向けて、突っ込み、つまりブレーキングで
負けない車両を造ることを目標としたとのこと。
で、ヤマハが着目したのが、リヤタイヤだったそうですね。

これはつまり、2014年の時点でフロントタイヤの性能は
100%使い切っている、それ以上奥に突っ込んで止まるマシンに
するには、フロントタイヤの性能を損ねないギリギリまで
重心を後ろに持っていくことで、リヤタイヤの発生する
ストッピングパワーを活用するというマシンの方向性だったそうです。
もちろん、減速側のTCSとの合わせ技になりますが。
2015年はマルケスが非常に転倒が多くなったシーズンですけど
あれは、ヤマハのマシンのブレーキングが深くなったことで
対抗するために、より奥まで突っ込もうとした結果の転倒回数だったそうです。
イメージ 2
そして、この2015年からヤマハウイングレットを使っているんですよね。
これはつまり、重心をどんどん後ろに持っていくとフロントタイヤの
接地感がどんどん希薄になっていきますから、重心を後ろに
でも、フロントの接地感を出すアイテムがウイングレットだったか。
イメージ 3
今にして思うと、中須賀くんがもてぎで燃料タンクをシートに
移設したマシンで走っていたのも、どれだけ重心を後ろに
持っていくかのテストだったんだと思います。

長くなったんで、その2に続く。