信じるのは己のみ
マーヴェリック・ビニャーレスが
シャシーに散々振り回された今シーズンを
振り返って、自分のフィーリングを信じられなかった
ことについて、後悔の念を語っていますね。
序盤、3戦2勝を挙げて、ヘレスこそ滑る路面に
手こずって下位に沈んだものの、ルマンで今季3勝目を
あげ、ポイントリーダーに立った彼でしたが
結局、これが今季最後の勝利となり、以降はただのひとつも
勝利を挙げることはありませんでした。
彼の場合、ヤマハでの経験が少ないこともあって、
今季のマシンの開発の主導権はロッシにあって、
彼も新型のシャシーを試しているものの、どちらかというと
最終的な判断はロッシがしていて、ビニャーレスはその決定に従う
という形でシャシーを変えてきた今シーズン。
ただ、彼の節目節目のコメントを聞く限り、
彼は今シーズン初期から使っているシャシーにそこまで
悪い印象は無いんですよね。
ヴァレの場合、どうしてもそのスタイルから、
まず、ブレーキングのスタビリティ、つまりフロントの安定感を
重視しますから、彼の思うように止まれるハードブレーキングが
出来る部分がシャシーで重要視する部分。
対してビニャーレスはハードブレーキングというよりは
コーナー速度をある程度保ちつつ
素早く曲げて早く立ち上がりに持っていくスタイル。
だから、両者の求めるシャシーは自ずと違ってくるというもの。
加えてビニャーレスはそもそも経験が少ないわけですから
次から次へとシャシーを変えられて、それを短いウィークで
セットアップするのはいかにワークスとは言え難しい部分があったハズ。
彼がシーズン当初のシャシーを使い続けていたら
もっと違った結果が出ていたかも知れません。
その反省からか彼は今後に対してはロッシの後追いはせず
己のフィーリングを信じるって言ってますね。
つまり、シャシーの選択も自分のフィーリングを信じて
選択していくつもりのようです。
彼はそう遠くないロッシの引退後のヤマハのエースに
なるわけですから、自分のスタイルに合ったシャシーというものを
理解し、開発が出来るようになる必要性を感じているか。