2017年の傾向と対策 ③
今シーズンが終了してからビニャーレスが
振り返って、こうコメントしてます。
自分のフィーリングを信じるべきだった。
ロッシの意見に振り回されたと。
今季、過去に無いほど不振に見舞われたヤマハですが、
その要因のひとつは、柔らかくなったミシュランに対して
固すぎたシャシーとのマッチングがあると思いますが
もうひとつは、開発の方向づけでしょうか?
というのは、ビニャーレスは最初期型のシャシーには
問題があると考えていなくって、序盤5戦で3勝しているんですよね。
もちろん、ヘレスのようなグリップの低いコースではタイヤに
厳しすぎてグリップダウンする現象は出ていたものの
あのシャシーを使い続けていればここまで酷いシーズンとはならなかったような・・。
しかし、序盤を終えて、ヘレスの事後テストで早くも
ビニャーレスもロッシの意見を反映したシャシーを使うことになります。
ロッシはオフテストから最初期型シャシーにはいいフィーリングを
持ってませんでしたからね。
そもそもですけど、ビニャーレスとロッシは全く
ライディングスタイルが違うライダーです。
ロッシはとにかくブレーキング、フロントタイヤの限界が
掴みやすく、ブレーキング時のスタビリティの高いマシンを好みます。
彼は全部のライダーの中で一番大きいディスクに冷却ダクトを
使っているハズ。
対してビニャーレスは自分ではハードにブレーキングするのが
スタイルだとは言っているものの、ロッシに比べればダクトは小さいですし
むしろ、コーナーへの進入速度は高い方。
彼はその状態から非常に深いバンク角に持ち込んで綺麗に
リヤをスライドさせて曲げていくスタイル。
最小限のアクションで綺麗に走るタイプ。
ですから両者の求めるマシン特性は全然違うんですよね。
ロッシの好みの方向に修正されていくシャシーだと
ビニャーレスの乗り方にはどんどん合っていかなくなるのはある意味当然。
今やホンダやドゥカティを見てもわかる通り、ワークスは
ライダーに合わせてシャシーさえもセットアップのパーツに
組み込んでいるわけですから、このオフの間にロッシもビニャーレスも
自分に合ったシャシーを見つけることが重要になってくるでしょう。
ということですね。