ヘッドパイプの柔らかさ

MOTOGPに続いて、WSBでもここヘレスで

苦戦模様のホンダ勢。

マシンが強いアンダーステアのようですね。

真夏のヘレスということで、路面温度がかなり上昇し

どのメーカー、マシンも同じようにフロントタイヤの

グリップを失って苦戦模様ですが、ホンダはその傾向が顕著に

表れているように思います。

 

現在のレーシングマシンは強烈なタイヤのグリップと

深いバンク角を実現するために、タイヤやフロントフォークだけでなく

シャシーもこのグリップを支えるパーツとして重要な役割を担っています。

2006年にホンダが発表されたRC211Vのニュージェネレーションのシャシーでも

この分野について発表はされていて、ヘッドパイプ周辺が大きく変形することで

タイヤのグリップを維持するのに一役買っています。

 

ホンダは去年からRC213Vの吸気系レイアウトを変更、

それまでシャシー両サイドから入れていたエアダクトを止めて

ステアリングヘッドを貫通するストレートタイプのエアダクトを採用しています。

そして、このニューシャシーにマルク以外のライダーが不評を述べていたのは

記憶に新しいところですね。

これは、結果的にエアダクトを貫通させたことでヘッドパイプ周辺の剛性が高まり

ブレーキングした際のこの部分の変形度合いが小さくなったこと、

それによりライダーへのインフォメーションが希薄になったこと、

更にはしっかり変形させるだけの強いブレーキングが出来ないと容易くフロントを

失うなどの問題点を抱えてしまいました。

このシャシーの持っている傾向が路面温度が上がってフロントタイヤが滑りやすくなった

真夏のヘレスで更に顕在化したことがマルクの転倒に繋がったとも言えるかも知れません。

 

そして、CBRも今年登場したRR-Rモデルからダクト形状が変わって、RC213V同様、

ストレートダクトになったわけですが、奇しくも同じ真夏のヘレスで同じような

傾向が出ているところを見ると、これは決して偶然では無いなと思わされます。

 

まあ、ヤマハなんかはずっと昔からこのレイアウトを採用していて

未だに素晴らしいハンドリングマシンを作り上げてますから

このレイアウトが問題なわけではなくって、ホンダというメーカーがこれが

苦手だ。ということなんですかね。

 

MOTOGPの方は改良シャシーをどしどし投入すれば問題点は改善できるでしょうけど

シャシーをいじれないスーパーバイクは問題ですね。

ベースマシンを改良するか、それ以外のパーツで何とかしないとならない・・・・。

どうなりますか。

エンジンは速いんだけど・・・。