下克上のシーズン
今シーズンのMOTOGPは非常に特殊な状況で開催されているのは
今更説明するまでも無い事ですが、その影響でしょうか、
ブルノサーキットで行われているチェコGPでは
予選の上位をアヴィンティア・レーシングの型落ちマシンを
走らせるヨハン・ザルコに
ペトロナス・ヤマハのファビオ・クワルタラーロにフランコ・モルビデリ
という全員サテライトチームという異常な光景となりました。
MOTOGPにおいては、当然、本社のバックアップ体制も含めて
ファクトリー体制の方が手厚く、それを利して、結果に結びつけてきた
わけですが、今シーズンはこの特殊な状況においてはそれは当てはまらないようです。
それはやはり、コロナ渦の影響によって、本社の開発体制、テストライダーの稼働率
パーツの供給などが本来の体制で動けていないためにマシンの熟成が遅々として
進んでいないという状況があるように思います。
加えて、この連戦連戦ですからテストを間に挟んでマシンを熟成する機会もありません。
その点、型落ちのマシンだと去年丸々1年走らせたデータはあるわけですから
今の時点だと限られたレースウィークの間でのセットアップの完成度では
型落ちサテライトの方が上なのかも知れないですね。
特にザルコはアヴィンティアでありながら実質的なチームスタッフはドゥカティコルセから
派遣されたスタッフで固められているようですから、ラバットとは体制が違う。
ファクトリースタッフが去年のマシンを仕上げればかなりの完成度かと。
ただ、ヤマハに関してはファクトリーの方がどうも滑りやすいコンディションでの
セットアップが得意ではない印象がありますね。
むしろ、ペトロナスの方が上手い。
意外と・・・ですが、来期ロッシがペトロナスに加入するなら彼の抱えている問題は
解決する可能性もあるんじゃないかと思わせるものがあります。
ただ、このままシーズンが進むとも考えにくいだけに、シーズンのどの段階で
ファクトリーがサテライトを凌駕してくるか。
その点は要注目ですね。