下降曲線を読め

ストレートスピードのアドバンテージを
活かして、イアンノーネを先行していたはずの
ロレンツォでしたが、終盤、まんまとかわされてしまいましたね。
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ロレンツォいわく、完全にタイヤが終わってしまったそうです。

ロッシによれば、ミシュランは初期グリップを10とすれば
最初の2,3周を終えたところで、8くらいまで下がって一旦、安定。
レース中盤までに5まで下がって、終盤は2くらいまで下がる。
対してブリヂストンは初期が10とすれば、最後まで8くらいしか
落ちないとのこと。

つまり、ミシュランはタイヤのグリップがどんどん落ちることを
前提としてセッティングを進めないといけないということ。
タイヤがフレッシュな時だけを考えたセッティングでは
レース全般で戦えるマシンにはならないということ。
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加えて、今は電子制御のセッティングで加速側で3段階
減速側で3段階、TCSの効きを登録しておいて
レース中にライダーが任意で切り替えるようになっています。
前半、中盤、終盤の3つですね。

つまり、タイヤの性能が落ちていく曲線を見越して
TCSの介入を強くする方向で3段階を事前登録する必要があって
事前の予想以上にタイヤが消耗してしまうと、TCSを
3段階の最強にしてもタイヤが滑りまくって加速しない
ロレンツォのような状態に陥ってしまいます。
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今シーズンのここまでロッシがなんとか戦えているのは
彼の経験から導き出されるタイヤの下降曲線の読みと
電子制御のTCSの合わせ込みが
かなりいいとこ行っているからじゃないかな。
もちろん、その読みに即した形になるようにタイヤを
ケアしながら走っているのかも知れませんけど。

だとすると恐るべしドクターだな。