ドクターの手腕
カタルニアでは今季2勝目をマークした
ロッシですけど、さすがの走りでしたね。
今シーズンの開幕戦、ロレンツォがポールトゥフィニュッシュで
優勝したときは、感じなかったですけど
特にヨーロッパラウンドに入ってから、
明らかにミシュランのタイヤはタイヤのグリップの劣化
というか「タレ」が大きいことがわかりましたよね。
昔、ブリヂストンとタイヤ戦争をしていた時に
ミシュランが敗れたのは、まさにそこで同じレース距離を
走った場合のグリップのタレ、劣化が大きいのがミシュランの欠点でした。
開幕戦のロレンツォの走りを見たときは、その欠点を
払拭したかと思われましたけど、ヨーロッパラウンドを
言いようのない結果となっていますね。
でも、ロッシにとってはまさにそこが彼の経験が武器になる
ポイントだと思います。
何しろ彼は32リットルという大きなタンクを背負って
タイヤのグリップがどんどん落ちる500cc時代を勝ち残った
ライダーですから。
彼は予選の段階から、レース終盤のタンクが軽くなって
タイヤのグリップが落ちた時点で勝負がかけられるように
マシンセッティングを施して戦っていました。
だから、予選でポールをあまり取れなかったんですね。
だって、タイヤがフレッシュな状態に合わせ込んでないですから。
その経験が今年のMOTOGPで生きているように思います。
マルケスにしろ、ロレンツォにしろ
劣化の小さいブリヂストンでずっと走ってましたから
そういう経験が少ないですからね。
絶対的な速さでは劣っても、経験とテクニックで
レースを物にするロッシ。
今年はこの先も見所を作ってくれそうです。