オーバーヒート対策
今回、ミシュランはバースト対策として
非常にタイヤの剛性を高くしたリヤタイヤを
投入してきたと言われています。
タイヤはエンジンの爆発が伝わると大きく変形して
その惰性で転がり、再び爆発が伝わると変形する
を繰り返しています。
そうなると、タイヤ一周の中で変形しているところと
そうでないところが存在し、これによりタイヤが発熱することになります。
消しゴムを手でグニャグニャと連続で変形させると
熱を持つのと同じ原理です。
ただ発熱する一方、走っている状態だと常にタイヤは放熱されますから
この発熱と放熱のバランスをとって、適正温度を保つのが
タイヤの性能を引き出すのに重要な要素です。
しかし、今のMOTOGPの強大なパワーの下だと、発熱に対して
タイヤの放熱が追いついていない状態のようですね。
この状態が続くと、タイヤに熱が蓄積され
完全にオーバーヒートの状態となり、タイヤが爆発
バーストして、トレッドが剥がれるということになります。
今回、ミシュランが持ち込んだ高剛性タイヤってのはこの変形を
しにくくすることによって、オーバーヒートを防ぐという
意図があると思いますが、その結果タイヤに熱が入りにくく
適正温度まで上がらず、グリップを引き出せないという弊害が
出ているようですね。
これがオフのテストからずっとその仕様のタイヤを投入していれば
メーカー側もシャシーのセットアップで対応してきたと思いますが
シーズン途中のこの時期での投入が結果的に多くのチーム、ライダーに
予想外の結果をもたらすことになったという感があります。
特に3戦の結果を受けて、色々新しいタマを持ってきたタイミングで
違う仕様のタイヤを持ち込まれたんだから、メーカー側からすれば
「止めて~~~」という悲鳴を上げたくなるところではなかったかと。
多分、ブリヂストンが同じ事やったら、ヨーロッパのジャーナリスト連中に
バッシングを受けるであろうくらいのことですね。