最終戦の奇跡
昨日、紹介した加賀山選手の
2006年全日本最終戦のスポット参戦の時の車両。
結果的に、加賀山選手はこのレースで
伊藤選手、秋吉選手を下して久々の
全日本優勝を飾るんですが、その裏には色々な
ドラマがありました。
まず、この2006年という時点の話をすれば、
既にMOTOGPで猛威を振るっていたBSタイヤの
威力が全日本にも波及して、もはやBSでないと
勝てないといわんばかりの状態で
チーム・グリーンに続いてこの年はヨシムラも
BSにスイッチ。
DLユーザーはYSPとモリワキのみとなります。
スポット参戦を決断した加賀山選手は当然、
BSサイドにタイヤ供給の打診をしたわけですが、
BSサイドの回答はノー。
というのもいわゆる16.5インチスペシャルタイヤは
この時点でコハラレーシング、TSR、ハルクプロ
ホンダドリームの2台、ヨシムラの2台、チームグリーンの
計8台に供給しており、これ以上枠は増やせないとのこと。
さらに加賀山選手に供給した場合、レギュラーの誰かの
タイヤをスタンダードに戻すことになるとの話。
加賀山選手は泣く泣く、不利を承知のDLを使うことになります。
マシンはエンジンのみヨシムラ製でそれ以外は旧知の
ブライトロジックのスタッフと共に突貫仕上げで造り上げたもの。
今にして思えば、この時の経験がチーム・カガヤマの結成に
大きく生きているように思います。
迎えた決勝は既に2連覇を決めた伊藤真一選手と
快速 秋吉選手との三つ巴のレースで
まさしく抜きつ抜かれつの展開の中、最終的に
加賀山選手が2人を抑えて勝利を挙げることとなりました。
不利と言われるDLを使いながらの勝利は
道具の不利を超えたライダーの力量によるもの
そう思えるレースでした。
確か、この車両はそのままナンバーを取得して
ブライトロジックが持っているはず。
それだけスタッフにしても思い入れのある1台となりました。