望まない終わり方

カレル・アブラハムがシーズン終了後の

ファンミーティングの席でアヴィンティア・レーシングとの

契約の終了、今期でライダーを引退することを発表しました。

 

正直、本人もこんなキャリアの終わり方を望んでいなかったと

思いますが、彼にはどうしようもない力が働いての決定には

逆らっても無駄だと悟っているようなコメントですね。

 

今回の一件に関してはアブラハムが再三語っているように

アヴィンティアとは2020年の契約を締結してましたし

チームには少なくはない資金を持ち込んでいましたから

それを一方的に打ち切られる理由は無いですからね。

それが電子メール一通で契約終了だったそうです。

まあ、チームマネージャーのルーベン・チャウス

後ろめたい気持ちがあったから、あえて電子メールだけで

済ませたのかも知れません。

彼も元ライダーですから気持ちはわかると思いますので。

 

彼がシートを失った背景には、そもそもアレックス・マルケス

マークVDSとの契約を翻して、レプソル・ホンダに

押し込められたことによって、ホンダ入りを狙っていたヨハン・ザルコが

宙に浮き、その彼をアヴィンティアで走らせたいDORNAドゥカティ

思惑が働いたことによります。

しかし、アヴィンティアには既にラバットとアブラハムが契約を

結んでおり、ザルコを走らせるにはどちらかがシートを失うという状況でした。

そして選ばれたのがアブラハムだったと。

 

そういったチームとライダーの契約を上回るメーカーと

プロモーターの強権が発動した形で、一人のライダーが

犠牲になってしまったという形ですが、ちょっとここ最近のDORNAの動向は

酷いという感想しか出てきません。

それこそライダーは相応の覚悟を持って走っていますし

ましてや最高峰クラスのライダーですからね。

チェスや将棋の駒のように簡単に、あれをこっちでこれをこっち

というような簡単なものではありません。

それを自分らの都合でやってしまう組織というのものに不信感を

抱かずにはおられないというもの。

 

今年がちょっと異常な事態なのか、それとも来年以降も

こんな事が続くのか、MOTOGPがおかしな方向に進まなければいいがと

懸念せざるを得ないところです。