時代の覇者
マルク・マルケスが他のクラスに先駆けて
タイトルを決めてしまいました。
今年のマルクは速さもさることながら強さにも
磨きがかかっていましたね。
これでミシュランタイヤ+共通制御になった2016年以降の
4年間は全て彼がタイトルを制していることになります。
2015年までのブリヂストンタイヤ+メーカー独自開発の
電子制御の時代は、なかなかタレてこないタイヤに
燃料の減りやタイヤのグリップダウンに対して電子制御が
自動で補正をかけてくれる非常に優秀なマシンでしたので、
ライダーはただただ攻めることに集中できました。
しかし、2016年以降のミシュランタイヤは非常に消耗による
グリップダウンが顕著でしたし、電子制御に至っては自動では
アジャストしてくれず、ライダーが手元でプログラムを切り替え
更に細かいアジャストが出来ませんから、ライダーがその時の
マシンの状態に合わせてライディングを工夫しないとラップを
維持できないというマシンになってしまいました。
そういうライディングのアジャスト能力、アドリブ能力において
マルケスは非常に優れていたと思います。
彼はそれだけライディングの幅が広いというか、
ライダーの力量で何とかしてしまうテクニックの持ち主。
その能力が2016年以降のマシンでは非常に顕著に
現れているというのが、この4年連続タイトルになるのでしょう。
しかし、ライバル陣営もマシンを更に進化させて、
そのマルクを上回るマシンを作ろうと開発の手を緩めてはいません。
既に来季に向けての打倒マルケスは始まっています。
かつてのキング・ケニー・ロバーでも敗れたように。