ダートトラックのテクニック
マルク・マルケスが本職のダートトラッカーで
あるブラッド・ベイカーを破った
スーパープレステジオですが、このテクニックが
まさにロードでのマルケスの強さでしょうか。
ダートトラックはフロントブレーキが付いていない
うえに、当然ダートの上を走るわけですから
フロントタイヤのグリップは期待できない状態。
じゃあ、その状態でどうやってブレーキをかけて
方向転換するかっていうと、フロントタイヤで
カウンターをあてて減速をかけつつ、フロントに対して
リヤを大きく振り出し、その振り出し量を体重移動と
アクセルワークでコントロールしつつマシンの向きを
手の内に置くというテクニック。
このフロントタイヤのグリップが期待できない
コンディションでマシンの向き変えをするテクニックが
まんま、マルケスのライディングですよね。
つまり、フロントタイヤのゴムのグリップを超えた領域で
マシンの方向転換を行う。
ゴムのグリップよりもカウンターで発生する力を
使ってグリップさせるというかなんというか。
これならフロントタイヤのグリップの限界内で
しか走れないライダーよりは明らかに速いし
グリップに頼ってない分、タイヤがたれてもペースを維持できる。
特に今シーズンからフロントタイヤの限界が
低くなって、リヤも電子制御がぬるくなって
ライダーがコントロールする部分が増えましたから
彼の走りが生きたってことでしょうか。
もちろん、この対極にいるのがホルヘ・ロレンツォです。
まあ、マルケスの凄いのはダートより遥かに
グリップするレーシングスリックタイヤで
遥かに速いレーシングスピードでそれをやってのける
っていう非凡な部分にありますね。
真似しろって言ってもそうそう出来るもんじゃない。
ああ、ビニャーレスが近いかも。
今、これに近いことをやっているのは来季MOTOGPを
走るザルコかな。