まずはひとつ

今週末のWSB マニクールラウンドには

カワサキジョナサン・レイによる前人未到の5連覇が

かかっているわけですが、ここでは彼のその連覇の軌跡を

振り返ってみたいと思います。

最初のタイトルは2015年、彼がカワサキに移籍した最初の年でしたね。

 

この2015年からWSBはいわゆるエヴォ規定が本格的に導入され

全車、エンジンはカムシャフト以外は交換不可ノーマルパーツの使用が

義務付けられました。

これは元々、ドゥカティ含む2気筒勢が1200ccの排気量と引き換えに課せられていた

規定で、それが4気筒も適用されるように拡大された格好。

言い方は悪いけど、成績が上がらないドゥカティのために4気筒勢の

性能が引き下げられた形ですね。

 

これのポイントはエンジンの絶対的なパワー及び加速力が落ちたこと。

これによりパワー任せの乗り方は通用しなくなって、よりスムーズなコーナーリング

コーナーリングのボトムスピードを落とさない乗り方が求められることに。

結果的に、このポイントがこの年、カワサキ ZX-10RRを走らせた

ジョナサン・レイとトム・サイクスの分水量になりました。

 

元々ホンダ時代から非力なマシンで戦ってきたジョナサン・レイ

いかにコーナースピードを殺さず回るかに苦心してきたわけで、

エヴォ規定へのマシンの乗り換えはスムーズに行われました。

対して激しいブレーキングで減速して小さく回って、

アクセルを大きく開けるサイクスの乗り方は合わなかったですね。

コースによっての浮き沈みが非常に大きかったです。

 

ドゥカティのチャズ・デイビスの駆るパニガーレはレギュレーション変更の

恩恵を受けて、ようやく初優勝を飾ったもののシーズンを通して見ると

まだまだ敵にはなりえずといった形で、ジョナサン・レイが自身にとって初の

タイトルを難なく手にしました。

獲得ポイントは548で、もう少しでコーリン・エドワーズのレコードに

達しようかというポイント数。

リタイアは最終戦カタールでのエンジントラブルによる一回のみ。

14勝をマーク。