寒さと雨

今週末はMOTOGP フランスGPがルマン・ブガッティサーキットで

行われます。

 

前回のカタルニアでは通常シーズンの6月向けに作ったタイヤをそのまんま

持ってきたため、タイヤの温度レンジが大き外れて、多くのライダーが

前後ともにソフトタイヤを選ばざるを得なくって、結果的に決勝では

タイヤがもたず、終盤はズルズルのタイヤで転倒しないように苦労しながら

バトルをするという光景になりました。

 

今週のフランスも本来は5月開催のGPで、10月とは全く路面温度が異なりますが

そこはミシュランのお膝元ということで、低温対策のタイヤを持ち込んでくるようです。

 

このルマン・ブガッティサーキットはカタルニア以上にブレーキングポイントが多く

加えて、路面グリップが低く滑りやすいサーフェイスだけに、

ミシュランが持ち込んでくる低温対策のタイヤをいかにグリップさせつつ

タイヤを持たせるかが、鍵になってきそうですね。

雨は最新の予報に基づくとギリギリ回避できそうです。

 

タイトル争いをしているヤマハのファビオ・クオルタラーロはポイントリーダーとして

迎える母国GPですが、カタルニア同様、ヤマハのマシンは前後輪ともに

タイヤに厳しく消耗に苦しむ傾向があるだけに、レースでいかにペースを

維持するかがポイントになってきそうですね。

リヤのトラクション問題はワークスチームよりマシとは言え、M1の持病のような

ものですし、フロント重視のシャシー設計はブレーキングコースでは

かなりフロントに負担を強いるようで、レース終盤はかなり厳しい状態になるようですね。

 

このヤマハと対照的なのがファビオを追うスズキのジョアン・ミールのマシンで

ヤマハほど前輪荷重が少ないためか、レース終盤までフロントタイヤが持ちますし

リヤのトラクションのかかりがいいために、リヤタイヤの消耗もヤマハよりは少なく

レース全般を通してヤマハを上回る走りが出来ていますよね。

反面、このリヤのトラクションの良さが災いして、予選ではアンダーステアが強く

タイムが出ないイコール予選グリッドが悪いために追い上げのレースに

なってしまうのが、惜しい部分ではありますが・・・。

 

ただ、このブレーキングポイントが多いルマン・ブガッティサーキットはそれだけ

パッシングポイントが多いコースだけに、少々予選順位が悪くても早期に挽回が

出来るコース。

 

ファビオが地元の意地を見せて今季4勝目を挙げるのか、あるいは追撃のミールが

ここで初優勝を挙げるのか、3連戦の緒戦となるフランスGPはタイトルに大きな

影響を与えそうです。

2021年シーズンはこうなる?

コロナ渦でかつてない大幅なスケジュール変更を強いられた

世界のモータースポーツですが、その余波は来季も尾を引くことに

なりそうです。

 

現段階で漏れ伝わってきている来シーズンの世界選手権の日程ですが、

やはり、ヨーロッパ外への国への渡航制限が大きく影響している模様。

従って、大半のフライアウェイは不可ということになるようです。

特に受け入れる側の国の制限が大きいようですね。

日本、タイ、マレーシア、インドネシア、オーストラリアなどが

その対象になります。

 

 

一方、ヨーロッパ圏内であれば、今季未開催の国でも開催は可能なようで

イギリスやドイツ、オランダなどは復活するようですね。

実際、BSBやIDMは開催されてますし、IDMのオランダラウンドも開催されています。

 

実質、かつてあったコンチネンタルサーカスのように

トラックで移動しながら戦うというシーズンになりそうです。

 

微妙なのは中東で、F1のトルコが行われるようにカタールは開催する

方向で進められているようです。

 

今季は短期決戦のシーズンを強いられている今季の影響で

スタッフ、ライダーを休ませるためにオフテストは年明けまで

ほぼ行われないというか禁止措置を受けるようです。

従ってMOTOGP恒例の2月頭のセパンテストは渡航制限もあり無くなるのが濃厚です。

MOTO2、3チームは3月に入ってからのIRTAヘレス合同テストが多くのチームにとって

始動のタイミングになりそうです。

セパンが行われないMOTOGPチームは不透明ですね。

恐らく代替のテストがどこかのタイミングで入ってくるでしょう。

 

従って、MOTOGPの開幕戦は3月末のカタールで、アメリカ、アルゼンチンが無くって

ヨーロッパのヘレスからヨーロッパラウンドが開幕という形。

WSBは開幕戦のフィリップアイランドが無くなって、いきなり3月末のヘレスから

開幕という形になるか。

ただ、何故か、EWCだけは暫定カレンダーに日本が入っていて、

4月のルマンで開幕して、ドイツ、鈴鹿ボルドール、エストリル(セパン)という

形が予定されてます。

 

この辺はまだまだ二転三転しそうですね。

 

 

 

 

 

フランスの空模様

ジョナサン・レイ圧倒的有利な状況で始まった

WSBマニクールラウンドはその思惑のとおり、

土曜日に行われたレース1と日曜日に行われたスーパーポールレースを

予定通りに(?)ジョナサン・レイが制し、

6連覇と100勝に王手をかけてレース2に臨みました。

 

雨が小康状態になる中スタートしたレース2は

ジョナサン・レイが絶好のスタートから飛び出し

トップに立つとアドバンテージを広げるべく

序盤からハイペースで逃げを打ちます。

 

一方、4番グリッドからスタートした後がない

スコット・レディングは、アレックス・ロウズをかわすと

ジョナサン・レイの追撃にかかります。

 

この頃から小康状態だった雨はほぼ止み、路面上の

水はどんどん少なくなっていました。

 

すると、ジョナサン・レイのマシンはあちらこちらで

リヤタイヤがスライドするような挙動を見せていきました。

レース後にジョナサン・レイが語った内容によれば

今回のマシン+タイヤはかなり雨量の多い状態に合わせ込んで

セットアップしていたようで、雨量が減ってくると

乗りにくくなるのは想定していたようです。

レインタイヤの場合は排水性を生かすためにタイヤの溝が変形しにくい

空気圧に調整していたりしますが、その状態だと

水が少ない場合は滑りやすくなるということでしょうか。

 

とにかくこの水が少なくなった路面はレイにとっては

乗りづらく、そしてそれ以外のライダー、特にドゥカティ

2人には非常に乗りやすかったようで、2人はみるみるペースを

上げて、レディングは早々にレイをパスしてトップに立つと

バズの追撃を振り切って、崖っぷちでタイトル争いに踏みとどまることと

なりました。

一方、その後もレイはペースが上がらず、バズ、デイビスにも抜かれて

タイトル確定圏内の3位からも滑り落ちる4位でゴールとなりました。

 

天気という不確定要素はギリギリのところで、レディングを

救った形になりましたね。

これだからレースはわからない。

とはいえ、圧倒的にレディング不利な状況には変わりはありませんが・・・。

 

このマニクールに続き、今週はMOTOGPのフランスラウンドが

行われますが、どうやら天気予報は怪しいとなっています。

 

またしてもフランスの悪天候がチャンピオンシップを左右する

結果をもたらすかも知れませんね。

MOTOGPの舞台となるルマン・ブガッティサーキットは

かつて、スズキがGSV-Rで唯一勝ったことがあるサーキット。

あの時も雨でした・・・。

先行逃げ切りか、後方追い上げか

今年のヤマハとスズキは同じ直4でも全くキャラクターが
正反対のマシンになってますね。


つまり、予選の一発は速いけどレースになるとタイヤが
消耗してどんどんペースを維持するのが精一杯の感があるからヤマハ

一方、予選ではリヤタイヤのグリップが良すぎてアンダーステア
なってタイムがイマイチのスズキですが、

決勝ではタイヤの消耗によってどんどんバランスが良化して、

後半ペースが上がる後半追い上げタイプ。

ファビオ・クオルタラーロとジョアン・ミールの戦いぶりは

まさにこれを象徴しているような結果になっていますね。

 

さて、残りのレースですが、舞台もさることながら

季節が秋を迎えてどんどん気温が下がってくるのも

キーポイントになりそうです。

 

というのも元々リヤのトラクションに課題を抱えるヤマハ

路面温度が下がるレースが続くとこの傾向に拍車が

かかるかも知れません。

 

来週のルマンブガッティサーキットは雨予報らしいですし

続くアラゴンは路面のグリップが低いコース

ヤマハは苦戦するかも知れませんね。

そしてスズキが飛躍を果たすか。

 

レーススタイル同様、シーズンの展開も先行で逃げ切りを図る

ファビオと、シーズン中盤から尻上がりに調子を上げてきたミール。

 

逃げ切るか、追い込みが届くか、シーズンは残り6戦です。

季節はずれのタイヤチョイス

MOTOGPカタルニアGPはファビオ・クオルタラーロが

開幕戦のヘレスのダブルウィン以来の優勝を飾りました。

 

しかし、薄氷の勝利だったようで、背後にはスズキの2人

ミールとリンスが迫っていました。

 

こうなった背景には今回のカタルニアにミシュラン

持ち込んだタイヤが秋のカタルニアではなく、通常の開催時期である

夏の気候に合わせて準備していたタイヤをそのまま

持ってきたことによる部分が大きかったですね。

 

つまり、本来であればもっと暑い路面温度、コンディションに合わせて

作られているタイヤですから、秋の涼しいコンディションでは

全くタイヤが暖まらず、本来のグリップが発揮できないため

多くのライダーが一番柔らかいソフトタイヤを前後に履かないと

ならないという状況となりました。

当然ながらソフトタイヤは一番柔らかいタイヤですからグリップは

しますが、耐久性が無くレースでは15周もするとグリップを失う状態に

なっていましたね。

 

元々リヤタイヤのトラクションに問題を抱えているヤマハはリヤタイヤが

スピニングによって消耗しますし、ブレーキングもフロントタイヤに

ダメージを与えて、どんどん消耗することになりました。

ファビオにとって幸いだったのはミール、リンス共に予選だと前後のタイヤグリップの

バランスが悪くて、タイムが出ず後方スタートとなったこと。

結果的に追い上げてきたものの、ファビオに先行逃げ切りを許すこととなりました。

 

いかなGPチームといえど、ミシュランがこんな季節はずれの

タイヤを持ってくるとは想像してなかったんじゃないでしょうか?

多分タイヤを作り直す莫大なコストを節約したんだと思いますが。

 

次のフランス ルマン ブガッティサーキットも本来であれば

シーズン序盤5月に開催されるGPだけに、ここが地元となるミシュラン

どういうタイヤを持ち込んでくるか戦々恐々かも知れません。

もっとも、ミシュランからすれば母国のエース ファビオの

世界王者もかかっているわけですからおかしな事はしないと思いますが・・・。

ストーブリーグ 最新版

レプソル・ホンダ  マルク・マルケス(確定)

          ポル・エスパルガロ(確定)

ホンダLCR     アレックス・マルケス(確定)

          中上貴晶

モンスター・ヤマハ  マーヴェリック・ビニャーレス(確定)

           ファビオ・クオルタラーロ(確定)

ペトロナスヤマハ  ヴァレンティーノ・ロッシ

           フランコ・モルビデリ(確定)

エクスター・スズキ  アレックス・リンス(確定)

           ホアン・ミール(確定)

ドゥカティ・コルセ  ジャック・ミラー(確定)

           フランチェスコ・バグナイア

プラマックドゥカティ ヨハン・ザルコ

            ホルヘ・マルティン

アヴィンティア・ドゥカティ エネア・バスチアニーニ(確定)

              ルカ・マリーニ

レッドブルKTM   ミゲール・オリベイラ(確定)

           ブラッド・ビンダー(確定)

テック3・KTM    ダニーロペトルッチ(確定)

           イケル・レコーナ(確定)

アプリリア・グレシー二  アレイシ・エスパルガロ(確定)

             アンドレア・イアンノーネ?

 

アプリリアのシートだけが未確定な状況。

混迷は深まるか、それとも

3週連続開催となっているMOTOGP

今週はスペインのカタルニアサーキットでの

開催となります。

 

前回のミザーノは再舗装したて、しかも2週連続開催で

路面グリップが上がっていたため、苦戦したライダーも

見受けられましたが、ここでは逆に速さを取り戻すライダーも

出てきそうですね。

 

そうなると、終盤に向けてライダーが絞られるどころか

更なる混戦へとなるかもしれません。

 

サーキットのレイアウト的には長いストレートとミドルのストレートが

あり加速力、トップスピードからのブレーキンがが問われますが

サーキットを占める大半が曲率が大きくダラダラ続くコーナーですから

やはり旋回力が問われるコース。

ヤマハが有利と言われるのも納得できる部分。

 

ただ、路面のグリップが低いこともあって、ヤマハの持病であるトラクション問題が

顕在化すると苦しい面もあるかも知れないですね。

 

個人的に注目はスズキのホアン・ミールで、レッドブルリンクの連戦

ミザーノの連戦で最もポイントを獲得したのは彼です。

今年のスズキは新しいミシュランとのマッチングの良さとも相まって

非常に戦闘力が高いと言われてきましたが、ようやく結果が付いてきた

という感がありますね。

 

リンスがブレーキング一辺倒でそれゆえにフロントからのスリップダウン

たまにやらかすのに比べると、切り返しや立ち上がりで勝負できる

ミールのスタイルの方がレースでは強いでしょうね。

カタルニアのような滑りやすいトラックコンディションだと

今年のスズキのリヤグリップの良さも武器になってくれるでしょう。

もしも、初優勝を飾ることにでもなれば、後半に向けて弾みになると思いますね。

 

それにはまず、予選から。

2列目までに入れれば、かなり可能性は上がるかと・・・。

 

もちろん、前回悔しい思いをしたペッコにも期待はしてますが。